第5話 入団面接
「では、スーベルシア、彼と2人きりにしてくれるか?」
「はい、失礼しますわ。」
スーベルシアさんは出て行った。
「さて、臨時契約を結ぶ前に…
君に聞きたい事がある。」
シュアララルさんはデスクにつき、そう切り出した。
「は、はい…
何でしょうか…?」
「深淵の森・キラーの地図を報告したのは君だね?」
「は、はい…
あ、あの、でもそれが何か…?」
「今までにあの森を中腹まで攻略したパーティはあるが、地図化できた者は居なかった…
君には何か特殊な能力がある、そうだね?」
シュアララルさんは言った。
その時にやっと気づいた。
俺がこのSランクパーティ華魔鬼凛に推薦された理由を…
あの
あれは、セイントラビの特性を使って確かに俺が書いた地図だ。
「はい…
確かに俺が書いた地図です。
だけど…
それはパーティメンバーの協力があったからで…
ゴニョゴニョゴニョゴョ…」
「あの地図を作るには、類稀な記憶力と洞察力、そして、探知能力が必要だ。」
「そ、そ、それは…」
「まぁ良い。
いずれ、君の能力の全貌が分かるだろう。」
「あわわわわ…
お、お、俺には特殊な能力なんて…」
「それは君が自己評価する事じゃ無い。
こっちで臨時の間で決めさせてもらう。」
「はい…」
「明日小規模な迷いな森ファレシーの探索がある。
そこに君も付いて来るといい。」
「は、は、はい…
頑張ります…!」
「よろしい。
臨時の給与については、明日以降に決めよう。
では、また、明日。
期待している。」
シュアララルさんは、そう締め括った。
♦︎♦︎♦︎
次の日、初めて華魔鬼凛の一員として迷いの森フェレシーに向かった。
「エルウィー、地図は任せたぞ。」
「えっ、あ、はい…!」
俺はセイントラビを召喚した。
「キャー!
可愛い、兎よ!」
昨日のボブヘアの女の子が近づいて来た。
「あ、セイントラビの…
リリ、って言います…」
「リリ、よろしくね!
あ、私はマイナ=K=ローレランツです。」
「あ、エルウィー=S=ロロドロアです…」
マイナちゃんか…
可愛い子だ…
いやいや!
俺なんか相手にされる訳無いんだから!
「私はダリア=P=ヨークよ。
よろしくね、エルウィー君。
セイントラビって聖獣の一種よね?」
メガネをかけた三つ編みの女性が言った。
「そ、そ、そうです!
聖獣が1番召喚するのが簡単な魔獣で…
俺、これしか出来なくて…」
「兄ちゃん、推薦で入ったんだってな。
あ、俺は盾役のマルス=S=レンドラだ。」
髭のおじさんが俺の肩を思い切り叩いてそう言った。
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