第3話 華魔鬼凛

バーベルさん?は華魔鬼凛カマキリに行けと言った…

で、でも、華魔鬼凛はSランクパーティだ…

総勢352人も居ると聞く…


そんな大規模パーティに、俺が…!?


「あわわわわ…」


俺は足元から震えそうになる。


で、でも…

もし、これが、世界を変えるチャンスなら…?


行って…みよう…かな…?


いや、行こう!


俺は決意した。


♦︎♦︎♦︎


翌日、パーティ・華魔鬼凛に向かった。

華魔鬼凛の拠点地は要塞のような外観で、高い高い塀に覆われている。


門も最新式の魔導式門だ。

これは、特殊な印章を結び、詠唱しなくては開かない門で、門番など居なくても外部からの侵入を拒むつくりなのだ。


俺は魔導鈴を鳴らした。


『はぁい!

どちら様ですか?』


「あ、あのぅ…

パーティ統括所からの推薦?で来たエルウィーと言いますけど…」


『あ、エルウィー様ですね。

聞いております!

少々そこでお待ちください。』


すると、一人のボブヘアの可愛い女の子が現れた。


「こんにちは!

エルウィーさん、パーティ統括所からの推薦状をお預かりします!」


「あ、はい!」


「確かに…

では、門を開きます…!

門よ、開けポエルタ・アビエルタ


ボブヘアの女の子が印章を結び、そう唱えると、門がズズズ…と開いた。


「あ、ありがとうございます!」


「エルウィーさん、まずは、パーティ副リーダーのスーベルシアさんの元へご案内しますね。」


「あ、はい…」


「スーベルシアさん!

例のホープでぇす!」


「あわわわわ…

ホープなんて…

俺は何でここに紹介されたかも…」


「エルウィー=S=ロロドロア…

深淵の森・キラーの地図を初めて中腹まで図式化した者…

そう聞いているわよぉ?」


スーベルシア=P=ナターシャ。

別名・氷の妖姫。

全ての物を瞬時に凍らせ、破壊する氷姫。

彼女の身体から常に冷気が発せられているのが探知しないまでも分かった。

たまに居る。

自分の魔力を高める為、もしくは常に戦えるように、そうするタイプが。


「い、いえ…

な、仲間の強力があったからで…」


「ふふふ。

そうねぇ。

私も半信半疑で、信じてる訳じゃ無いのよぉ。

でも、まぁ、一戦交えて、あ・げ・る♡」


「え…?

えぇぇぇぇぇ!?

い、い、一戦!?」


「さぁ、バトルホールに行くわよ。」


スーベルシアさんはそう言って立ち上がった。


やばい…

やばいぞ…


華魔鬼凛の副リーダーと一戦交えるなんて…!

がっかりされるに決まってる!

てゆーか、死ぬんじゃ…!?


俺は顔面蒼白でスーベルシアさんについて行く。


バトルホールに到着して、俺は剣を構えた。


頼むぞ!

セイント・ラビ!


「いつでも良いわよ。

かかっておいで、ボク…」


スーベルシアさんが手を曲げて挑発するようにそう言った。

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