軽便鉄道監視衛星群 その2
ここで景山物資補給部長が、
「そのボックスを利用すれば、当該未開発世界の物資は調達できるのですか?」
「そのことですが、プラネテスとしては協力します」
「モニターは最新のプログラム型の人工知能を搭載、必要なら対象惑星の知的生命体タイプの精密ロボットと連動させます、その遠隔誘導精密ロボットで、現地住人との交渉に当らせるます」
「ただモニターにはロボットの惑星上への転移はできない、当然、物資の転送もできません、転送はボックスを利用することになります」
「物資補給部からの係官は、ボックスからモニターが管理する精密ロボットを介して該当物資を購入することになります」
「軍務雇員徽章が必要になりますが、物資補給部に貸し出している軍務雇員徽章を利用してください」
「人員、及び物資は軽便鉄道上にマッチとボックスを配置、ショートワープで繋ぎますが、大型の物資は惑星からは持ち出さないとのことですので、ボックスの範囲内でお願いします」
「また物資運搬には使用料を支払っていただきます、物資補給部は了承されているとお聞きしております」
「了承しておりますが、使用料はこの後、話を詰めたいと考えていますよ」
「それで結構です」
ガブリエルさんの説明はさらに続きます。
「一応、当方の管轄の軽便鉄道ですが軍事鉄道です、エンプレス勅命がでれば当方は戦時幕僚部の指揮下にはいります、戦時優先となりますのでご了承ください」
ここでユニバースのオーベルグルッペンフューラーであるゼノビアさんが、
「ユニバースとしてお聞きしていることだが、戦時の防衛戦闘のお考えを、皆さんに説明してほしい」
ガブリエルさんが、
「そうですね、戦時の防衛戦闘についてですが、ランチはボンバーと呼ばれる中性子過剰核を閉じ込めた無人誘導爆弾を三基搭載しております」
「また軽便鉄道のプラットホームにコンバットと天山宇宙戦闘艇が配置されています」
「コンバットは長さ百メートルのペンシルのような形で、その先端に反陽子ビームを搭載しています」
「宇宙での防衛戦闘の場合、ランチのボンバーで迎撃するとともに、近傍の軽便鉄道のプラットホームが駆けつける手筈です」
「虫が相手では苦戦するでしょうが、そのぐらいの相手となる場合は完全な戦時となり、兆候がないわけはありません」
「なお天山宇宙戦闘艇については、エデン銀河帝国との紛争でその有用性が認められています」
「軽便鉄道にはトレーラーという貨物運搬衛星が用意されており、天山宇宙戦闘艇も、『シュヴァルム』体制で牽引運送できます」
「このトレーラーはショートワープが出来ますので、紛争地域に進出、空母の様な戦いが出来ると考えられています」
「ただこのままバリア展開が出来ないので、モニターシリーズとしてバリア展開衛星としてラムスデンというものを、マレーネ様にお願いして開発しております」
「現在、試験中ですが、結果は満足できるものです」
「このラムスデンを必要な場所に配属いたします」
「万一、監視惑星世界がネットワークと戦いを選ぶ場合、モニターには太陽光(直接)励起レーザーが一門搭載されており、惑星上の対象物を撃破可能となっています」
「なおモニターシリーズですが、連結装置が円筒外殻に90度ごとに一か所ついています、また前後にも連結でき、人員の移動も可能です」
「このトレーラーの中でもバッテリー・トレーラーを四隻連結しますと銀河系内の移動が可能です」
「バッテリー・トレーラー四隻を中心に各種のモニターを組み合わせれば、それなりの戦力になるかと思われます」
総務RCTの六条晶子ハウスバトラーが、
「経費はどれくらい?」
「箱物や管理用のロボットは当方のマイクロ・インフェニティ・カーゴで建造します、ただそれによる軍事監視官などの人件費などはお願いします」
「維持管理の経費は物資補給部と交渉済み、また物資運搬や人員輸送による使用料は物資補給部に委託しており、維持管理の経費に上乗せとなっています」
「では総務RCTとして、使用料についての予算案は物資補給部と交渉いたします、よろしいですか?」
「当方は舞いませんが、物資補給部のお考え次第です」
「物資補給部は構いませんよ」
このあたりで質問などはなくなり、説明会は無事に終了したのです。
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