軽便鉄道監視衛星群 その1


 翌日のミリタリー・オフィスで、軽便鉄道についての説明会が開かれています。


「それでは未加盟知的惑星は、一級、二級、三級とランク付けして、監視衛星は今まで通りで、モニターは全ランクに配属、二級はモニターを改良したランチも配属、一級はさらにこちらもモニターを改良したマッチも配属するのですね」

「さらに確認しますが、一級とは初期宇宙探査が可能な程度、二級とは近代程度、三級は近世程度ですね」

 山下藤子惑星世界管理局長です。


「その通りです、補足しますと、隣の惑星にまで進出した場合は、特級に分類とし、軽便鉄道ではなくユニバースの簡易鉄道となります」

「また軽便鉄道に配属するものは全てモニターを改良したシリーズです」

「ランチは迎撃衛星です」


「マッチは太陽光発電衛星ですが、新型の非常用小型核融合炉を積み込んでいます、マグネティックセイルを搭載しており、星系内なら移動できます」

「このマッチはこのモニターシリーズのものに電力の供給もできます」


 ガブリエルさんが丁寧に説明しています。


「監視官の視察はどうなのですか?」


「一級の内、重要な惑星にはボックスというものを配属します、これは転送居住衛星で、中に小さい居住区域と、倉庫、惑星上に監視官を転送する装置があります。」

「一応二段ベッドで三点ユニットバスと小さいキッチンがついていますが、水とお湯が使えるだけです、勿論動力は全て電気です」


「食料などはミリタリー補給カタログを使用していただきます」

 このミリタリー補給カタログは、『掲載されているものはどこでも取り出せる』、という優れもの、ボックスの居住区域でも当然機能します。


「これらを機能的につなげるのが、軽便鉄道計画です」

「計画ではレイルロードから分岐しますが、その起点にはホールトと呼ばれる物をユニバースと協力して配置します」


 ホールトとは統合ミリタリーヤードを改良したした物、円筒形をしています、レイルロードの列車も入ることができます。

 統合ミリタリーヤードより、ステーション機能が強化されています。

 簡易鉄道のローカル無人駅として設置されたりします、レイルロードのステーションでは最小のものです。


「今回、レイルロードから軽便鉄道が分岐する場所にも設置することになりました」

「本来は無人駅ですが、軽便鉄道が分岐する場所にあるホールトは、プラネテスの軽便鉄道線の保安司令部が設置されます」


「ホールトはプラネテスの管理なのですか?」

「ユニバースとの協定により、プラネテス管理のホールトには通常は列車は停まりません」 

「レイルロードの列車が停車するステーションはユニバースの管理となります」


「軽便鉄道にはステーションではなく、プラットホームと呼ばれる極めて簡素な駅舎を設置します」 

「標準プラットホームは千鳥型を改良したもので、単独でマイクロショートワープができます」

「円筒形をしています、全長三百メートル、直径は約七十五メートル、一応2LDKの2人部屋が5室、共用の風呂とトイレとリビング、カプセルホテル仕様の緊急用のベッドが二十五床あります」


「防衛戦力としてコンバットは六機、天山宇宙戦闘艇も十六機搭載しています」


「さらに必要に応じて、簡易プラットホームを設置します、これも円筒形で、全長百五十メートル、直径は約七十五メートル、共用の風呂とトイレとリビング、カプセルホテル仕様の緊急用のベッドも十床あります」


「勿論、コンバットは四機、天山宇宙戦闘艇も八機搭載しています」

「どちらも必要ならばレイルロードの列車も接舷できます」


「この二つのプラットホームにはメイドロボットのネーレーイス改のRTA201型、一セット二体、汎用メイドロボットのトゥイーニー・オートマトンRTA001型が二体が常駐しておりますので、これらがボックスなどの管理を行う予定です」

「さらに移動端末型軍用コンピューター、CHIDORI―0002型一体が指揮官として配属されていますので、戦闘も可能です」


「監視官が使う以上、清掃などはトゥイーニー・オートマトンRTA001型を使うのですか?」

「ネーレーイスRTA203型を巡回させる予定です」


「ネーレーイスRTA203型?たしか家事ロボットはRTA202型とおもいますが?」

「RTA202型は姉妹設定で二体1セットですが、RTA203型は姉妹設定はありません、機能はさらに落ちますが軽便鉄道内での管理清掃ですので十分かと思われます」

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