カレワラ・オフィスの3人


 ミリタリー・オフィスのテーブルに、ティアマト宇宙の高等知性体分布図が広げられました。

 

「あれ、ほとんど空白……ほとんど銀河の分布図?えっ、高等知性体が存在している銀河だけがのっている?」

「惑星カタカムナのある銀河はこれなの?」


 その分布図らしきものには、約百五十ほどの銀河が記載されていました。


 一応、レイルロードの第三本線は敷設されています。

 標準小型ステーションのカタカムナ・ステーションが、ティアマト宇宙唯一のレイルロードのステーション、そのそばにはヨミのティアマト方面の艦隊根拠地としてのマルバス・ステーションも設置されています。

 

 マルバス艦隊の旗艦は『陽気なライオン夫人』号と呼ばれ、死霊の公爵サミジナの『ネクロマンシー』号とほぼ同じ、ただ指揮通信艦ヘルメス級は艦隊に配属されていません。

 代わりに先ごろ広域探知オプションステーションが何隻か配属されています。

 三軍統合幕僚部が、マルバスに建造を許可したようです。

  

 ユニバースもティアマ・ステーションをカタカムナ・ステーション近傍に配置しています、ティアマト方面のレイルロードのステーションを指揮下に置くためです。

 非常時の惑星カタカムナの防衛戦力はかなりの物なのです。


 ガブリエルさんが、

「とりあえずは惑星カタカムナのある銀河から始めますか……アマテラス様、誰に命じますか?」


 するとアマテラスさんが、

「カレワラ・オフィスに任せましょう、あの3人には良い勉強になりましょう」


「そうですね、アイノ、キュッリッキ、ロウヒも散茶女孺(さんちゃにょじゅ)、早く格子に昇格させたいですからね♪」

「デーヴィーオフィスの3人より先任なのですからね」

「でも、あの3人、いささか不安ですね……武闘派ですから……」


 そう、カレワラ・オフィスの3人は荒いのです、大雑把で単純、事務能力は皆無なのです。


「ネーレーイスRTA101型を一セット、配属しておけばいいのでは?少しうるさいですが、標準ステーションの各階管理コンピューターぐらいの事務処理能力はあるはず」

「初めての軽便鉄道敷設を成功させれば、格子への推薦も致し方ないと誰もが考える」


 ガブリエルさんが、

「確かにそうですね……案外、ヴィーナス様はお気に召したようでしたし……かなり無茶な夜伽を強要したらしいけど……」


 アマテラスさんも、

「そういえばロウヒがおしっこのところを責められたとか云っていたわ……癖になったとか……」

 ガブリエルさんが、

「ロウヒですか……先任ですからね……カレワラ・オフィスの後の2人も懐いているようだし……格子にしてやりたいな……それにしてもあんなところとは……」


 ……


「まあ、私には無理かと……でもヴィーナス様にされたら戻れないかも……」

「あの3人ですから、癖になるぐらいで済んでいるのでしょうね……」


 ……


「でも……ヴィーナス様を想像して……」

 ガブリエルさんのお言葉です。


 ……


「そうね……私も……」

 こちらはアマテラスさんです。


「とりあえず軽便鉄道ティアマト線の敷設責任者として、カレワラ・オフィスの3人をイシス様に報告しておくわ」


 2人の女はこの後、自室に籠ったのは内緒です……

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