『百合の会議』対策には生贄が必要です


 4人はニライカナイ内を縦横に走っているトランスポータに乗り、『ハウスキーパー・シャトー』に……


 その前にある、セルフのお鍋鉄板のお店『一銭 ハウスキーパー・シャトー店』へ……


 サリーさんが待っていました。

 

「一銭か……そういえば久しぶりだな……」

「そうですね、ミリタリー地区にはあまり展開していませんからね」

「物資補給部はミリタリーに冷たいから……」

「あまり売り上げがないからでしょう、大体ミリタリーの方は『ニライカナイ・カフェ』か、よくて『コッペハウス』と伺っております」


「云われればそうだな……皆、無料を好むようだ……」

「ミリタリー補給カタログで戦闘糧食は食べ放題にしたのは、お嬢様やイシス様でしょう?」

「それに、ミリタリー三軍の方はほとんどお酒など飲まれないとか、このようなお店は興味がないのでしょう」 


「プラネテスの方なら、このようなお店は受けるでしょうが、プラネテスは平時は一般地区におられますからね」


 アマテラスさんが、

「プラネテス所属のものは、結構、酒盛りなどするのですよ、だからセルフのお鍋鉄板の『一銭』とセルフ・フライ『串』はよく使っているようです」


「そうですか、それより早く食べましょう、この頃ね、新しいメニューができたのよ、私、その中の『ちゃんちゃん焼き』にはまって!」


 サリーさんが、いそいそ『ちゃんちゃん焼き』なんて作って食べています。

 イシスさんも『ちゃんちゃん焼き』で、こちらは勝手にコップ酒なんて自前で取り寄せています。

 ファウスティナさんもドルシッラさんもアマテラスさんも、偉い2人が食べるのですから、当然同じものなのですね。


「ところで面白い話って、なんですの?」

 上品そうに『ちゃんちゃん焼き』を食べながらサリーさんが聞きます。

 ドルシッラさんが詳細に説明しています。


「なるほど『お手付きの資格』ですか……たしかにネットワーク審議会は喜ぶでしょうね……」


「そこでだ、ちょっと耳を貸してくれ」

「……となれば、あのへそ曲がりも嫌はいえまいし、『百合の会議』もすんなり通りそうなのだが?」


「通りそうですね……でも、もう少し、練ってもいいですか?」

「そりゃあ、当然だと思う、あとは此方に任せてくれ」

 ここでイシスさん、チラッとアマテラスさんを見るのです。


「いいのですか?あまりに可哀そうな気もしますが……」

 サリーさんも、チラッとアマテラスさんを見ます。


「しかたないと考えている……」

 イシスさん、いたずら顔でいったのですね。


 この後、アマテラスさんは、ものすごく可哀そうな目にあいました。


 戦いの結果、ネットワークに加入することになった、千を超える女ばかりの惑星の面倒を命じられたのです。

 ヴィーナスさんがフラフラと出向けば、あとは……

 そしてアマテラスさんは管理責任を問われ、『百合の会議』でつるし上げ……


 誰もが絶対に嫌がる結果が待っています。


 で、イシスさんが入れ知恵をします。

 ヴィーナスさんに、最高戦争指導者として、何とかしてと、泣きつくように……


 これにはさすがに困ったヴィーナスさん、そこに想定外の出来事が起こったのです。

 『聖水』です……要するにヴィーナスさんの尿が、効果抜群の治療薬と判明。


 そしてその時、不用意にヴィーナスさんが漏らした一言も、しっかりと聞かれたのですね。

 これをサリーさんが、戦勝の褒賞に誠に上手く利用したわけです。

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