嫌な予感


「ネットワーク審議会といっても各惑星世界政府の集合体、各惑星世界政府は、自らの世界の『献上品』から何とか『寵妃』をだし、ネットワーク内の発言力を増大したいと願っている」

「例を挙げれば、直轄惑星昇格には、なにかと抵抗する『百合の会議』を通さねばならない、何とかマルスのように自らの宇宙船で交易などしたいと願えば、三軍統合幕僚部の許可がいる、このような案件を押し通すためには最終的に『寵妃』の数となる」


「これはネットワークの決まり事なのだ、ヴィーナス様を除いて、誰も『寵妃』の多数決には逆らえない」

「そして、これが問題の根幹なのだが、『寵妃』への昇格は『百合の会議』の承認がいる、そして『寵妃』が増えれば、私もだが、夜伽の順が伸びてしまう……だから『百合の会議』は徹底抗戦をする」


「先ごろ私は『愛人待遇麗人』になり、最高幹部会議である、『愛人会議』のメンバーになった」

「『愛人会議』は『寵妃』への昇格については、当の本人の素質と資格が満たされれば問題はないとの認識だが、『百合の会議』のメンバーの感情を考えると、致し方ないとの意見が多い」


「今回のこの案は上手くすれば、このあたりの問題を解決できるかもしれない……」

「いま上層部はラグナロク戦争の報償について、いろいろと意見を取りまとめ中だ……いまなら、この案を承認させるチャンスかもしれない!」


「いまから、イシス様にお目通り願い、この案を説明して、ご意見を伺おう!」

「ファウスティナさん、同行をお願いしたい!」


 結局、中原シティにある、ネットワーク審議会から帰ったばかりのファウスティナは再び中原シティにとんぼ返り、そしてニライカナイのミリタリー号の中にある、戦時最高幕僚部、元の三軍統合幕僚部の庁舎でイシスさんと面談したのです。

 そうそう、ドルシッラさんも同行しています。


「ほう、『お手付きの資格』?」

 イシスさん、どうやら興味を示したようですね。

 かなり詳細に聞いていました。


「今、戦勝記念の褒賞でいろいろと案が出ているが、ミリタリーとして担当部署に提出しておこう」


「そうだ!」

 イシスさん、やおら、オルゴールなんて取り出します。


「サリーさん、ロマーニャのファウスティナさんが面白い話を持ってきている、例の戦勝記念の褒賞に絡めると面白いと私は思う、どうかしら、時間がとれない?」


「本日の昼食をご一緒にしませんか?詳しくはお食事しながらということで」


 ハウスキーパーとして、忙しいサリーさんですが、さすがにイシスさんからのお願いなので、何とか都合をつけてくれました。


「そうそう、アマテラスさん、折角ですから本日午後三時から、四軍の首脳会議を行う、参加してもらうわよ」 


 なぜか嫌な予感がしたアマテラスさんでした。

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