ガウダの作戦
その後、サルマタイ婦人騎兵隊からの斥候の導きで、森での奇襲は受けることなく、反対に奇襲などをしているサルマタイ婦人騎兵隊。
全員、下馬して森を先行しています。
サルマタイ婦人騎兵隊の『オートホース』はヌミディア女騎兵隊が預かり、今のところ荷駄隊のようになって、後方をすすんでいるのです。
「隊長!なぜ、我らがサルマタイの奴らの荷物も運ぶのですか!」
「文句をいうな、サルマタイのほうが、このような地形での戦いに慣れている、それは皆も理解しているだろう?」
「我々だけでこの森をいけば、敵の奇襲にあうぞ、無様な戦いはしたくないであろう?」
ヌミディア女騎兵隊はぶつぶつ文句を言いながら、それでも『オートホース』を伴いサルマタイ婦人騎兵隊の後をついていきます。
ある時、いつもの定時連絡の時、サルマタイ婦人騎兵隊長のアキリアがやってきた。
「このままいけば明日の昼には森を抜け開けた場所に出る、偵察によれば森を抜けたところにデーン人の砦がある、かなりの規模で付近の川から水をひき堀をめぐらしてある」
「さらにはジュート人の部隊が川の上流の林に潜んでいる、こちらは概ね帝国のコホルス程度の部隊が三隊に分かれて野営しているようだ」
ガウダが、
「我らが砦を攻撃しているところを、横から挟撃ということか」
アキリアが、
「まあそうだろうな……さて、どうするかな……」
ガウダが、
「どうするもこうするもお前のところが砦をせめて、ジュートが来たら俺の部隊がそれを叩きのめす、その後、例の秘密兵器で城壁をぶち壊す」
「まあ、反対でもいいぜ」
結局、くじを引くことになった。
立会人は両隊のオプティオである。
「よし!我らサルマタイ婦人騎兵隊が先鋒だ!」
「しかたない、ジュート人の始末は引き受けよう」
部隊は明日の昼前、第六時が始まると同時に、先鋒のサルマタイ婦人騎兵隊が森から出て、砦を攻撃する。
この時、例の秘密兵器は使わず、弓で城壁の上からの攻撃を牽制、城門を破城槌で攻撃。
敵にばれぬようにそれなりに攻撃するわけです。
ジュート人の部隊が出てきたら即座に反転、砦から距離を置きます。
敵が出ないように牽制しながら、ジュート人の部隊をひきつけます。
ヌミディア女騎兵隊はサルマタイ婦人騎兵隊がジュート人部隊をひきつけている時、その後方から突撃、敵を殲滅するという手筈です。
「ジュート人部隊を殲滅したら、『例の秘密兵器』で砦を攻撃する」
「これではサルマタイは苦戦するぞ、大丈夫か?」
「まあ多少は被害が出ようがこれは戦いである」
「それより、夜陰に乗じて我らが林に隠れているジュート人部隊を殲滅、サルマタイが砦を攻撃しているときに、ジュートを装って攻撃、慌てて貴様らが撤退を装えば砦の兵は一気に城門を開けて出てくるのではないか」
「そこを打って出てきた守備兵を蹴散らしながら城門に突撃、砦内に乱入するというのはどうか」
「しかしジュート人部隊はコホルス単位で三隊に分かれているのだろう?殲滅できるのか?」
「一隊ごとに刺殺していく、万一の場合は致し方ない、『例の秘密兵器』の出番になるが、その場合は砦は強襲となる、サルマタイ婦人騎兵隊は砦の守備隊を出さない様にお願いする」
「わかった……しかしジュート人部隊の方角から、声が聞こえたり、火の手が上がったりしたら我らが加勢にはいる」
「ジュート人部隊を蹴散らしながら、そのまま離脱しよう」
「そうだな、そうなったらお願いする、少なくともジュートの連中は片付けよう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます