三度散茶、四度散茶
「やめなさい、せっかく皆と肌を合わせた後というのに!」
「いいですか、昨夜の皆との睦事は甘美でした、しかしまだ皆はテクニック不足、一線に並んでいます」
「皆は昨夜から散茶端女(さんちゃはしため)、このようなファミリア―のサバトは年一回開かれることになりました、来年、再びファミリア―のサバトに呼ばれるように努力してください」
「夜伽のテクニックを磨いて、私に三度めをと思わせるようにしてください」
「さすがに三度も散茶になれば、私が寵妃候補の名簿に載るように推薦してあげます、散茶女孺となれるでしょう」
「そうなれば皆と親しく接する機会が増え、さらに夜伽のテクニックが磨かれれば、四度の散茶、問答無用で私が寵妃に昇格してあげます!」
このウェヌスさんの言葉は、かなり後になって実現することになったのですけどね……
「肌を合わせた皆さんが、争うのを見るのは私としては辛いことです!」
ウェヌスの言葉でこの場は収まりました。
「ほんと、仲が悪いというか、同じ戦場に立った仲間なのに……なんとかならないのかしらね……」
「その……血の気が多い者たちばかりで……ただ、ウェヌス女神様のお側にいたいという一心で……」
ガウダが申し訳なさそうに言葉を返しています。
「それは理解しています、ヌミディア女騎兵隊とサルマタイ婦人騎兵隊の皆の気持ちは痛いほど理解しています、こんなに慕っていただければ本望というものです」
「ありがとうございます。」
アキリアも少し嬉しそうに返事をしています。
「カエキリア様、お蔭で納まったようです、後は私とガウダにお任せになり、お疲れでしょうから早めにお休みください。」
「そう、悪いけど寝させていただくわ、さすがに今日は疲れたわ。」
二つの騎兵隊のほぼ全員と散々に『契った』訳ですから、さすがに疲れていたのでしょうね、アキリアの言葉に従ったウェヌスでした。
「さて、どうするか……」
アキリアがガウダに向かって口を開きました。
「一応は貴女が先任の騎馬隊長、まずは貴女の意見を聞きたい」
当初、サルマタイ婦人騎兵隊はウォルムニアが百人隊長、ケントゥリオと呼びますが、アキリアは百人副長のオプティオだったのです。
ウォルムニアが惑星ロマーニャの婦人戦闘団の司令官に就任、アキリアが百人隊長、ケントゥリオに昇格したわけです。
ヌミディア女騎兵隊の百人隊長、ケントゥリオになっていたガウダは先任となるわけで、もし両隊が合同で軍事行動を起こした場合、アキリアはガウダの命令を受けることになります。
「そんなに形式にこだわらなくてもいいだろう、正直、私も手に余る、今まで色々あったが今回は知恵を絞るしかない」
「そうだな、なんとか折り合いをつけることを考えなくては……このままではカエキリア様の逆鱗に触れる」
「そうなれば次のサバトは我ら抜きになる、そんな事は隊員のためにもあってはならない。」
「では、どうするか……」
2人の話は長々と続くのですが、結局はここに落ち着くようです。
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