問題作映画 レビュー
ウゴ
ムカデ人間 ~つ ・ な ・ げ ・ て ・ み ・ た ・ い。~
監督 トム・シックス
脚本 トム・シックス
製作 トム・シックス
イローナ・シックス
出演者 ディーター・ラーザー
アシュリー・C・ウィリアムズ
アシュリン・イェニー
北村昭博
音楽 パトリック・サベージ
オレグ・スピーズ
撮影 グーフ・デ・コニング
編集 トム・シックス
製作会社 シックス・エンターテインメント
配給 トランスフォーマー
公開 イギリス 2009年8月30日
アメリカ 2010年4月28日
日本 2011年7月2日
上映時間 90分
製作国 オランダ
言語 英語・ドイツ語・日本語
製作費 €1.5 million
グロ度:☆☆(意外なようだが直接的にグロいシーンは殆ど見られない)
不快度:☆☆☆☆☆
狂気度:☆☆☆☆☆
恐怖度:☆☆☆☆
倫理観欠如度:☆☆☆☆☆
キャッチコピー:100%医学的に正確
日本版キャッチコピー:つ ・ な ・ げ ・ て ・ み ・ た ・ い。
批評:人とのつながりは大切だ。でも、つながりすぎるとろくなことにはならない。この映画は大切なことを教えてくれた。唯一出演している日本人俳優がかなり笑わせてくれる! ー松尾スズキ
星の採点システムでは評価できない。この映画は星も輝かない世界を占拠している ーロジャー・エバート
あらすじ
ヨーロッパを旅行中の2人の美しいアメリカ人女性。車で移動中、ドイツの森の中で突然タイヤがパンクし、夜の闇のなかで立ち往生してしまう。助けを求めてさまよった2人は、一軒の大邸宅にたどり着いた。次の日、目覚めるとそこは地下に作られた病室のベッドの上。隣には彼女たちと同じように、日本人男性が寝かされている。家の主であるドイツ人男性は、かつてシャム双生児の分離手術を専門とする外科医だったという。だが、彼の新たな3人の“患者"たちは、恐るべき手術によって、“分離"ではなく“結合"されようとしていた。男は、人類史上始めて人と人の胃腸を繋ぎ合わせることを計画し、そうすることで、“ムカデ人間"を創り上げるという生涯の夢を実現させようと企んでいたのだ。ーBlu-ray Boxより引用
レビュー
映画史上最大の問題作として評された本作はトム・シックス監督の奇抜な言動により生まれた。「ロリコンの性犯罪者の口をデブのトラックドライバーのケツにでもつなげちまえよ」監督がニュースを言いながらふとそう言うと、周りの人たちは彼の事を気味悪がった。
監督はこのアイディアを使えると考え、ムカデ人間の制作を思いついた。しかし人間の肛門を別の人間の口とつなげ合わせるというアイディアはあまりにも下劣で、倫理観が欠如している。流石にそういう自覚はあったのか、監督は投資家たちに映画の内容をあえて語らず、上手く騙して製作費を巻き上げ、やっと映画の制作にこぎつける事に成功した。
その後も俳優が中々集まらなかったり、いざ撮影を始めても俳優はその映画の構成上長時間四つん這いで動くことを余儀なくされるので疲労が半端なかったり、ハイター博士を演じる俳優がドイツ語で度々喚くので近所の近隣住人から(映画の舞台はドイツの山奥だが実際はオランダの住宅地で撮影されている)苦情が来たりと、映画の制作は前途多難だったようだ。
…正直そこまで苦労してまで作る様な映画ではないような気がするのだが。本作の主人公のハイター博士同様、監督もムカデ人間を作り出すという狂気に駆られていたようである。
で、そこまでして作られた肝心の映画の内容だがはっきり言って面白くはない。人間の肛門と別の人間の口を縫い合わせて一つにすると言うそのアイディアは個性的だしまあいいのだが(?)いざハイター博士がムカデ人間を作り出した後は、彼がムカデ人間を苛めたり、警察のガサ入れが入ってウダウダやったりと、ひたすら弛緩した起伏の無いストーリーラインが続く。どう贔屓目に評価してもB級ホラーどまりの映画である。
とはいえハイター博士を演じるディーター・ラーザー氏(ちなみに日本語吹き替え版では若本規夫氏が担当している為怪しさ倍増である)とカツロ―を演じた北村昭博氏の怪演は見事の一言だし、そのあまりにもぶっとんでいて人権無視のアイディアは数々のフォロワーと熱狂的なファンを生む事となったのは紛れもない事実である。意外な事に直接的なゴア表現は殆どないので、興味のある方はチェックして頂きたい。
問題作映画 レビュー ウゴ @wentgoing
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