第3話 2つの決意(かなり自分本位)

推しの性格、好きなものはなんでも知っている。

もちろんどこに住んでいるのかも。

攻略はしていなくてもSNSで公式が情報のせてくれていたし、ショートムービーも全て課金してみたのでばっちりだ。

今は私が12歳だから推しは10歳のはず。

10歳の時には特にイベントはないのだが、そんなもの私が起こさせるに決まっている。

推しである大魔法使い様は、ヒロインと結ばれないことで病みまくり、ありとあらゆる手を使ってヒロインの相手を攻撃していくのだが、それさえも聖女様は愛の力で更生させ、将来魔塔主として国を守るために生きていくよう導くのだ。

ヒロインとヒーローサイドからするとハッピーエンドだが,果たしてそうだろうか?

報われない想いを押し殺してヒロインの求める自分を演じいつかもしかしたら…というありもしない期待だけを希望に魔法を使って人のために生きていくことが?

そんなわけがない!

私が必ず幸せにしてみせる。

…という声がおそらくだが、ヤンデレ好き女子から多かったからか、追加ストーリーとして課金制で大魔法使い様ルートが生まれたんだろうと邪推する。

せめて攻略してから死にたかったが、こうやってリアルで体験できるんだからイイ…!

めちゃくちゃいい…!

大魔法使い様は生まれつき魔力がチート並みに高いにも関わらず、途中で魔力暴走するなんてことはなく、見事に自分でコントロールすることができるというまさに魔法に愛された男なのだ。

私のあの18歳でおこるであろう暴走を、もしかしたら魔法で止めれるのかもしれない…

だが、推しとのエロ展開が欲しい私は、そっちにかけたい…!

たとえば大魔法使い様のまえでわざとこけて、唇が重なり合うとゆう王道の″自己チュー″展開もほしいし、ゲーム内でもあった催淫イベントも起きてほしいし、普通にたくさん抱かれたい。

絶倫という設定らしいがそれも興味がある!

たくさん愛してほしいし、愛したい!

ヤンデレは愛に飢えた枯れた大地のようだとよく言われているが、私こそがオアシスになりたい!

という、邪な思いを抱えた私は決意をする。

①大事な家族を悲しませないためにも破裂エンドは避ける。

②大魔法使い様と愛し合って二人で幸せになる。

この二つを何がなんでも成し遂げてみせる。

この世を平和にするのはヒロインである聖女だから全力で任せるし、正直どうでもいいからだ。

私は自分の大事な人たちが幸せになればそれでいいし、世界平和なんて考えてもいないのだ。

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