第4話『優しいキス』

「わ〜い!」

さっきまでのムードの照れ隠しにニコがベッドにダイブした。

ダイバーだ。

ベッドはニコを跳ね返すことなく、優しくキャッチした。

「わ〜、フカフカ〜!」

ニコが服を着たまま、ゴロゴロしてる。ミニスカートでそんなことするからパンツ丸出しだ。

「ニコ、パンツ見えてるよ!」

恥ずかしくなって、ぼくが注意すると、ニコが反論した。

「今から、パンツの中見るんだから、恥ずかしくないでしょ!」

ニコはこう言った時、正論を言う。

確かに。

「ね〜、トム、一緒にお風呂入ろうよ!」

ニコのステキな提案。

無邪気な声。

子どもの時、一緒に入ってたのと同じトーン。

「じゃ、お風呂入れてくるね」

ぼくがそう言って、バスルームに行こうとすると、ニコはぼくを呼び止めた。

「待って、トム、ちょっとこっち来て」

ニコに言われるままにベッドに行き、腰を降ろすと、ニコが後ろから抱きついてきた。

そのまま、ぼくに語り掛けた。

「トム、初めてだから、

優しくしてください」

今まで、ニコにそんな口調で話されたことは無かった。

ぼくはニコに向き直り、ギュッと抱きしめた。頭を優しく撫でた。

「優しくするよ。

ずっと、これからもずっと」

ニコがキスを求めてきた。

かわいい。

ぼくたちはいやらしくない、優しいキスをした。

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