2人はお似合いのカップル?
その後は、もう2年生になって1ヶ月たつね、とか新しいクラスはどう?とかそんなたわいもない会話をしていた。
昼休みの時とは違い2人とも緊張もやわらぎ思いの外会話がはずんでいる。今までこういう風に2人で話したことはなかったが北条さんとの会話は楽しい。時間はあっという間に過ぎていき。
「それでね」
「おまたせ!悪い悪い、時間かかっちまったな」
北条さんが会話を続けようとしたところで、朔が買い物を終えベンチの方へと向かってきた。右手には買い物袋がぶら下がっておりお目当ての物は買えたようだ。
「朔君、思ったよりも早かったね」
「なんだ花。もっと陽希と2人の時間をたのしみたかったのか?」
北条さんの言葉に反応した朔は煽るように冗談のつもりで返答した。
「そ、そんなんじゃないもん!」
北条さんはまた顔を赤らめながら否定した。いや、そんな必死に否定しなくてもいいじゃないか。まあ悪気があって言ってるわけでもないだろうし気にしないけど。
朔もからかって言ってるんだろうから僕もそれに乗っかろうかな。
「北条さん、そこまで必死に否定されると僕も傷つくよ」
「ちがっ!違うよ!そういう意味で言ったんじゃなくて!別に相沢君が嫌いとかじゃなくて!」
北条さんは焦った様子ですぐに否定する。自分が否定したことで僕が傷ついたと思ってるんだろう。本当に優しいこだな。
「大丈夫、大丈夫。冗談だから」
北条さんは、もぉ!とまた頬を膨らませて拗ねた表情をする。いや、それ可愛いだけだって。
まあでもこの短時間で凄く仲良くなった気がする。これまでまともな会話がなかったのが不思議なくらいだ。
意外と僕ってコミュ力高い?そんな自画自賛をして微笑ましく思っていると朔から声をかけられる。
「少し待って貰ったしゲーセンでも行こうぜ!少しくらいなら奢るし」
「お、いいね!朔君の奢り」
「全額はださねぇぞ」
「とか言っていつもだしてるよね」
でもやっぱりこの幼馴染み2人の仲に比べたら全然仲が良いとはいえないのだろう。やっぱり付き合ってないのが不思議だって。とっとと付き合えよ、と僕は口にはださず心の中に留めておいたのだった。
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