格げーはセンスだけでは勝てない

ショッピングモールの中にあるゲームセンターというのは小規模なものが多いイメージだが、ここのゲームセンターはそれなりに大きくメダルゲームやクレーンゲーム、プリクラだけではなく音ゲーや格ゲーなどのアーケードゲームも豊富な種類がある


そんな数ある中から僕たちが遊んでいるゲームはというと。


「もう1回だ陽希!」


「何回やっても結果は変わらないと思うけど?」


「うるせぇ!負けたまんまで終われるか!」


格ゲーであった。戦績はというと、


9勝0敗


北条さん

5勝5敗


0勝9敗


みてわかると思うが、僕は得意だ。日頃からそれなりに色々なゲームしてるし僕が全勝することは目に見えていた。


対称的に朔はゲームが絶望的に下手くそである。これは格ゲーに限った話ではなく、あらゆるジャンルのゲームすべてにおいてだ。


だからこうしてゲームで勝負した場合は基本的に僕が勝つ。あまりゲームが得意でないといっていた北条さんに負けるレベルで弱い。神はゲームの才能だけは朔に与えなかったんだな。いや、これはもう逆に才能といえるのではないか。


「あー!また負けた」


「朔君本当に弱いね」


「もっとオブラート包んでに言えって!」


頭のなかで色々考えてるうちに勝ってしまった。なんだか少し申し訳なくも思ったが、日頃の行いの分だと考えればもっと負かしてやろうと思ったが飽きてきたしやめておこう。


「朔もうやめておこう」


「まだだ!俺が勝つまでやめない!」


負けず嫌いなところは個人的には好きだが、それよりも問題は。


「お前お金大丈夫なの?」


「うっ!」


そう、ゲーセンでの代金は朔の財布から出ている。先ほど朔が奢るといっていたので僕と北条さんは遠慮なく朔のお金で遊んでいる。


一応、救済措置として朔が勝った場合はお金は払わなくていいという条件であったのだが、ご覧の通り現在彼は全敗中であり、結果的に朔が奢っているという状況になっている。


でも、この条件を出したのも朔だから自業自得だ。


余談ではあるが、朔は渋々諦め僕たちにリベンジ宣言をして終わったのだが、未来永劫リベンジは果たされることはなかったそうだ。

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