やっぱり行かなくていいんじゃない?
現在、校門に到着した僕たちは北条さんを待っている。
4月中旬のこの頃。ブレザーを脱ぐには少し肌寒く、下校している生徒の大体がブレザーやセーターなどを羽織っている。例にもれず僕もブレザーを羽織っている。
個人的ににこの時期が1番すごしやすい気温だからずっとこのままでいてくれと祈っていると朔が何かに気づいたようだ。
「おーい花!こっちこっち」
どうやら北条さんの姿を発見したようだ。180㎝はあるであろう身長+手を上に振りこちらの場所をアピールしている。
北条さんもそれに気づき笑顔で手を振り返してくれている。その笑顔で周りの男子の視線は北条さんに集まる。
流石校内屈指の美少女、手を振って笑顔になるだけでこの注目様は凄いな。アイドルになったら絶対センターになれるな。…………知らんけど。
そんなどうでもいいことを考えているうちに北条さんは1mくらいの距離まで近づき停止する。
「昼休みぶりだね、北条さん」
「…………」
北条さんは無言だ。
もしかして昼休みのこと怒ってる?走っていったことが余程きにいらなかったのか?そんな些細なことで怒るような人か?とりあえず謝るべきか?
「ちょっと朔君!」
僕が思考を巡らせていると、突然北条さんは朔を呼び、そして朔の腕を引っ張っていき2人は僕から5mくらい離れたところへ移動した。
何やら会話をしているようだが全然聞こえない。雰囲気的に北条さんが朔に怒っているようだが。
そんなに昼休みのことを怒っているのか。それともやっぱり僕邪魔だった。
朔の言うことなんか信用せずにとっとと帰るべきだったなぁと考えていると2人ともこちらへ戻ってきた。
とりあえず謝っとくか。
「ごめんなさい」
「なんで謝ってんだお前」
朔から凄い不思議がられた。いや北条さんも不思議がってる。謝罪は間違っていたようだ。
それよりもさっきから北条さんが朔の後ろに隠れて僕の様子を伺っているような気がするのだが気のせいだろうか?
「とりあえず駅前のショッピングモールに向かうか」
朔がそう言い歩きだす。僕と北条さんもそれに連れて歩きだす。
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