僕行かないと駄目ですか?
そのまま時間は進み、放課後。
結局朔とは話せず仕舞いでここまできてしまった。
とりあえず朔と話さないといけないと思い、朔の席に向かい声をかける。
「おい朔」
「ようやくきたな陽希、じゃあ校門にいくぞ!」
朔はそう言って立ち上がり荷物を持って教室をでていく。仕方がないので僕もそれについていく。
朔は止まる様子もないので、廊下を歩きながら話すことにした。
「ちょっとまってよ。話きいて」
「どうした、陽希?花が一緒なら僕いらないんじゃね?みたいな顔して」
うっぜぇぇ。なんだコイツ。言いたいこと分かっているなら最初から誘うなよ!なんでちょっと半笑い気味なんだよ!1発殴ってやろうか⁉
いかんいかん!アイツに振り回されていたらいつまでも話が進まないような気がする。冷静になろう。
「話が早いじゃないか。北条さんがいるなら僕の存在は完全に邪魔だろ。美男美女、幼馴染みで仲良くデートにいきなよ」
とりあえず、僕は思っていたことを言った。
すると朔は歩くのを中断し、なに言ってんだコイツ?みたいな顔で僕の顔を見てくる。
え、なに?僕そんな変なこと言った?
「あのなぁ、お前なんか勘違いしてるから正しておくけど、俺は別に花のことを好きじゃないし、花も別に俺のことなんか好いてねぇよ」
なるほど、朔の考えはは理解した。だけど、
「いや、朔が北条さんのこと好きじゃないことはわかったけど、北条さんの気持ちはなんでわかるんだよ」
「…………」
朔はしばらく考えた後こう言った。
「まあ、そこは幼馴染みだからな!なんでもわかるんだよ!」
なんだ、その滅茶苦茶な理論は。
「というか幼馴染みだからって両想いになるなんて考えは古いぞ。お前も浅はかだなぁ」
朔が煽ってくる。
まあ、でも確かに朔の言うことも一理あるが僕からみたら北条さんは絶対朔に惚れていると思うんだけど。
「で、結局僕は一緒に行かないと駄目なの?」
とりあえず、最後の悪あがきとして聞いてみたが。
「モチのロン」
ですよねー。
そうして、僕らは校門に向かって再び歩きだした。
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