リズside 3

良い匂いがする。

あっ、そっか、わたし確かお腹が減って

また倒れて…

確か倒れる間際あの人の声がしたような…

「あ、起きました?今出来るんでちょっと

待ってて下さい」

あれ?この人…昨日同じパーティーになった…

「賢者のアルです。覚えてますか?いきなり倒れるんだからビックリしましたよ。お腹空いてるんでしょ?ほら食べて」

目の前には美味しそうなシチュー

あの時と同じ匂いがする。

もしかして…

一口食べる。やっぱり、あの時のシチューだ…

「どうですか?一応味見はしたんで、不味いってことは無いと思うんですが…」

「あっ、めちゃくちゃ美味しいよ!ほんとに、すごく、」

「それは良かった、お代わりあるんで食べたかったら言って下さいね」

もしかしてアルさんってあの時の…

とりあえず今は食べよう。食べないと思考も回らない。



数十分後…

お腹いっぱいご馳走になった私は考えていた…

味は確かに同じだ、でも味だけで本当に本人かどうか、私も自分の舌にそこまでの自信はない。

確認しようと、お礼がてら聞いてみようとすると、アルさんが今後も自分を頼って良いと言ってくれた。

もう少し味を確かめてから確認してみても

良いかもしれない…



3日目

やっぱめちゃくちゃ美味しいなぁ

あっ、私食べてる分のお金払ってないじゃん!

後で払っとかないと


5日目

こんな美味しいご飯が毎日食べれるって幸せだなぁ。

いや本当に何回食べても飽きないなぁ

てゆうか何でアルさんにご飯食べさせてもらってるんだっけ?…

まぁいっか、とりあえず頂こう!


2週間後

「やばいよ私!結局食べさせてもらってる

だけじゃん!」

たぶんアルさんはあの人だ。

口調とか雰囲気とかも似てるし、

料理の味も何回も食べたから間違いないと思う


でも今更どんな顔で言えば良いんだろ…

ただでさえ迷惑かけちゃってるのに

もう今更お礼とかどんな顔して言えば良いんだろ…

うーん、まぁ、また今度、タイミングを見て近々言おうかな…、うん…


「あっ、そろそろ行かなきゃ」

今日はアルさんと食材の買い出しだ。

今日はどんな物を作ってくれるのかな?

期待に胸を膨らませながら待ち合わせ場所に向かった…


2人で買い物に行っている途中でデートみたいだなと思ってしまったのは秘密である




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