閑話 アリアside 1

私は昔から寝ることが大好きだ。

ちょっと良い家柄に生まれたこともあって、

礼儀作法のレッスンや、マナーの講習など、

家庭教師からの指導を受ける傍ら、

暇を見つけては昼寝をしていた。

本当はずっとお昼寝をしていたかったけど、

お父様やお母様に褒めてもらえるのも嬉しい。



たまにお父様やお母様と一緒に

お昼寝をしたり、

お庭で遊んだり、幸せな日々だった。


ある日の夜、昼寝をしすぎて目が覚めてしまってお手洗いに行こうとした時、

お父様の書斎から物音がした。


「お父様、まだ起きているのかな?」


眠い目を擦りながら、部屋をのぞいてみると、

金庫を開けようとしている黒装束の男がいた。


それを見た瞬間、ハッと目が覚めた


(ど、泥棒?早く衛兵に知らせないと)


お父様が言っていた。もし万が一、

危ない目に遭いそうになったら衛兵の人を

呼ぶんだよと、


とにかくその場から立ち去ろうとした時、

金庫を漁っていた男がこちらを向いた。


「チッ!ガキが起きてやがったか」


舌打ちをしながらこちらへ来ようとする男。


「や、やめて、来ないで、、」


男の目に腰がすくんでしまって動けない、

何とか右手に持っていたぬいぐるみを

投げつけるが、全く意味がない。

そして、男にハンカチのようなものを無理やり口に当てられる。


「金庫が開かねぇからどうしようかと

思ったが、ちょうど良い、お前を人質にして

金を貰うとするか…、まぁ貰えなきゃ奴隷商にでも売れば良い金になるだろ…


薄れゆく意識の中で、泥棒の声が響いていた


「誰か、たすけ…」


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