第2話始まりの時
「そなた達を勇者パーティーに任命する!
我ら人類の最大の敵である魔王を倒してくるのだ!」
リズ、アリア、僕の3人は王様から直々に
この任務を賜った。
勇者パーティーとは勇者を筆頭に国の精鋭が集められ、世界の脅威となりえる魔物などを
排除するために結成される。
もしその任務を遂行出来れば、その後の人生で一生困ることのない富とこの上ない栄誉を得られる。
「まさかの僕が勇者パーティーに…」
王様への謁見を終えた僕は、王城の一室で他のメンバーを待ちながら、内心飛び上がりそうなほど浮かれていた。
だって勇者パーティーだぞ?
一生遊べる富に強大な敵を撃ち倒したという
功績、この二つが手に入ることで得られる利益は底知れない。
研究室の設備も一新できるし、パーティーで変な陰口を叩かれることもない、そして結婚だって出来るかもしれない!
もうパーティーに行くたびに女性から向けられるあの憐れみの目には耐えられない…
期待感に胸を躍らせていると、ノックの音。
部屋に入ってきたのは先ほど同じパーティーに任命されたリズとアリア
まずは各自自己紹介をしていく
「勇者のリズだよ!得意なことは切ったり蹴ったり殴ったり!物理の効く相手なら任せてよ!趣味は食べることかな?」
青髪ショートの小柄な子で、何がとは言わないがデカい…何か普通の町娘みたいな印象だけど
こんな子が戦闘とか出来るんだろうか…
「聖女のアリアです、得意なのは回復魔法に結界魔法です。趣味はお昼寝です。」
勇者の子とはまた違ったお淑やかな印象の金髪碧眼、ラノベで見る ザ・聖女 みたいな印象だなぁ、やっぱ生だとオーラあるなぁ…
「賢者のアルです。得意なことは魔法全般、大概の事は出来ると思います。趣味は本を読む事です。」
無難な自己紹介を終え、各々聞きたいことを聞いていく
「聖女ってあの聖女!すごいねめっちゃ有名人じゃん!」
「いえいえ、そんな事は、運良く選ばれることが出来ただけですので。勇者や賢者の称号を持たれているお二方の方がすごいですよ。」
「いえいえ、僕は研究していただけですから、
それより勇者の称号の方が…」
「いやいや………
途中そんな感じで会話がループしたりしたが、やはり全員が同じ17歳というのもあり、
終始和やかな雰囲気で進んでいった
この時僕はまだ気づいていなかった、
この2人の違う一面に………
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