方向音痴
第8話
「まさちゃん!ちょっと聞いて!ねぇ!私、高校生だよね?そう見えるよね?」
携帯片手に興奮気味な私
「どうしたの?…ってか、あんた今、何処?」
「うっ!そっ、それを聞く?…何処かなんてわかんないっ、でも、今はそれどころじゃ無いのよ!聞いて!」
私は、強引に話をしはじめた。
「教室に戻ろうと1ー3目指して歩いてたの!そしたらいつの間にか中等部に行っちゃってたらしくて…『編入生』と間違われちゃったの…しかも中1の…」
余りにも自分のマヌケさに最後の方はごにょごにょと小さい声になってしまった。
「はぁ…中1に…。何で中等部にまで行ったの?」
まさちゃんの、呆れている雰囲気が携帯から伝わってくる。
「私だって好きで行ったんじゃないよっ!?気付いたらそこだったんだもん」
「…じゃあさ、いっその事、そのまま『中1の編入生』になりきって校内案内してもらっちゃえば…?」
「あっそーかぁ!」
にこにこ
「そのまま『編入生』のフリして道案内をね………って、中等部の?虚しすぎるよっ!」
あははははは。
「ちょっと、まさちゃん!笑いすぎ!いくら慣れてる私だって傷つくよ!」
プンプン!
「は?何言ってるの?私、笑ってなんかないよ…慣れすぎてて」
「へ?まさちゃん笑ってないの?…って『慣れすぎてて』は余計だと思うけど」
あははははー
すげー!っかしー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます