第5話

「おう、放課後よろしくな?」



そしてそのまま去って行こうとする先生にハッとして



「あー!先生ー!!」



と、慌てて呼び止める。



「何だ?まだ何かあるのか?」



大声で呼ばれて怪訝そうな先生に



「あのう、…突然ですが、問題です!…1年棟はここからどう行けば良いでしょうか?」


「……は?高宮、お前、何言ってるんだ?大丈夫か?」



うっ、


大丈夫じゃないから聞いてるんです…とは言えず引きつる私。



「じゃ、あそこにいる奴らに案内でもしてもらおうか?」



と、呆れ顔全開で提案する先生。



「え?あそこ?」



振り返るとさっきの魔王と高田先輩が話をしているシーンが目に入った。


心なしか私、魔王に睨まれてる気がする。


案内?…冗談じゃないっ!


私は急いで先生に顔を戻すともっと引きつりながらも、乾いた笑いを浮かべ



「あはは、大丈夫です!今のはじょ、冗談です!へへへ…ははは」


「…もう、行っても良いか?」



先生に眉根を寄せられながら聞かれる。



「はいっ!勿論です!」



私は、直立不動で答えた。

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