第3話

怖かった……物凄く怖かった!


…やっぱり男の人恐いっ!


どうしよう………




泣きそうになりながら歩いていると、前から人が来た。


もしまた怖かったら……逃げよう!


そう決めて



「あっ、あのー!わ、私……高宮すずと申します」



私は恐る恐る前に現れたその男の人に言った。


やっぱり怖くて最後は尻つぼみになっちゃったけど……


ううっ、女の人居ないの?



「は?なになに?突然ビックリした!ハハッ、オレは高田!」



その人はいきなり私に話しかけられ驚きながらも人懐こい笑顔でそう答えてくれた。


良かった!


優しそう!


この雰囲気なら聞けそう…



「た、高田先輩!2ー1担任の高崎先生の居場所、知りませんか?」


「高崎?…ああ、さっき抜いて来た。ほら、あっち!」



『あっち』と言われ、指を差された方向を見ると、ちょうど先生がこっちへ歩いて来る所だった。



「わあ、良かった!助かりました。ありがとうございました!」



私は、先生が見つかった喜びで嬉しくなり、笑顔でお礼を言い、先生へ走り寄る。







この時私は、さっきの魔王がずっと見ていたなんて思いもしなかった。

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