第2話

「…あんた誰?」


「へ?」



結果的にその人の胸に向かって声をかけてしまってから思ったが……ゆっくり見上げるとこの男の人、とても背が高い。


まあ、私が146㎝で低いから余計かもだけど……


のり君より高そうだから180㎝はあると思う。


私からしてみたら、巨人だ。


色が白くてサラッサラな茶髪のいわゆるイケメンさん。


声もハスキーでとにかくかっこいい!


でも何か不機嫌そうな印象……


…何か嫌な事でもあったのかな?



「何ボーっとしてんの?誰って聞いてるんだけど」



ぶっきらぼうにそう言われた。


まずいっ、また自分の世界に入ってたっ!



「っ!あっはい、すみませんっ…私1年3組の高宮すずと申します」



慌てて、ぺこりと頭を下げる。



「ふうん。1年かぁ…まあ、放課後なら良いよ」



え?


何が?


…放課後?


その言葉にビックリして顔を上げると、その人はまだ不機嫌そうな顔のままだった。


いやいやいやっ



「あのー……今がいいんですが?」


「はあ゛?」



うっ、…ま、まま、魔王ってこんな感じの雰囲気かな?


遭った事ないけど……


怖いっ!


私、声かける人、完全に間違った!!



「ご、ごごごめんなさいっ!しし失礼しましたっ!…ほ、ほかっ、他の人に聞きますっ!」



私は、これ以上この魔…この人に関わるのは恐ろしくて、急いでもつれそうな足を頑張って動かし、回れ右をした。

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