人気者

第4話

小川先輩が、かっ、かかか彼氏になってくれた次の日の朝、昨日の様に『恋人繋ぎ』のまま2年生の下駄箱に行った。


その時、小川先輩が高田先輩に


「高田!俺、すずと付き合えた。すずは俺のだから手出すなよ!」


と、わざと他の人にも聞こえる様に大きな声で言い、その日の内に、一気に『あの小川が彼女作った!!』と広まった。


後からだが、高田先輩からこれは小川先輩と示し合わせた事だと教えてもらった。特に後半のセリフは世間?に向けての威嚇の様なものだったそうで…。『そうだったんですか?でも、手を出すとか全然意味が分からなくて…小川先輩に聞いても教えてくれないんです』と、言うと、何故かミナ先輩も笑っていた。


この騒ぎで、私は嫌というほど小川先輩がいかに人気者かを思い知る。


この同じ日、高田先輩とミナ先輩カップルに昼休みの間、ずっと根掘り葉堀り質問され小川先輩は私の手を握りながら答えていた。


「すずちゃん、手、繋ぎたくなかったら遠慮しないでシッシッて、払っちゃって良いのよ?」


私と繋いでいる手を交互に見ながら、初めて対面した時から私を気に入ってくれたミナ先輩が心配して声をかけてくれる。


「はい、ありがとうございます。……で、でも、このっ……この方が落ち着くので///…折角のお気遣いをすみませんっ」

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