第2話 謎のアイテム
「じゃあ、よろしく!ところで君の名前は?」
ウッキウキのシャーペンは魔女に名前を聞いた。
「親しくもないのにタメ口を使うな」
「す、すびばせん…」
「私はアドです。シャーペンさんは、どこから来たんですか?」
「日本という遠い国からです。なのでこの国の事は、よくわからないんですよ〜」
アドはシャーペンに、この世界の事について詳しく話す。
この世界は最近、謎の魔法道具が度々目撃されるらしい。
未知の物質でできていたり、特殊な力を持っていたり…と様々。
それらの魔法道具は自我を持ち、人々を襲い始めた。
今まで魔王などの生物が人々を攻撃するといった事はよくあったが、無生物が攻撃してくるのは初めてだと言う。
そしてその凶暴な魔法道具たちを、この世界の住民はアイテムと呼んでいた。
「へぇ、物騒な世界ですね」
「なので最初、あなたを見た時は攻撃してくるのかと思って警戒していたのですが、全く動く気配がしなかったので困惑しましたよ」
「ところで俺、魔法が使いたいんですけど、教えてください!!」
「え、私も人に教えられる立場ではないのですが」
「ではどこへ行けば習えるのでしょうか?」
「うーーーん…」
アドは考えた。
自分の師匠の元へ行かせても良いが、果たしてこのシャーペンを信頼しても良いのかと。
これでアイテムたちのスパイだとすれば、師匠が危ない。
「…………」
「ダメすかね〜」
「とりあえず、私の師匠の元へ案内します」
彼女は師匠のいる場所へ行く過程で、このシャーペンという不審物がどういう存在なのか探ろうと考えた。
◇◇◇
木漏れ日が照らす森の道を進む2人(1人と一つ?)。
「アドさんの師匠は、どんな方なんですかね?」
「それは師匠の元へ着いた時に話します」
ガサゴソ…
突然、木の上から魔物が降ってきた!
黒いタヌキのような魔物だ。シャーペンは奴を見上げる。
「でっか…」
「下がっていてください」
アドが言うと、タヌキに向かって杖を構えた。
そして叫ぶ。
「
杖から猛烈な光が放たれ、タヌキを吹き飛ばした。
シャーペンは思わず「すげぇ」と叫ぶ。
「今のは初心者でも扱いやすい光魔法の一般攻撃クラスです。猛烈な光で魔物から魔力を消し去り、同時に吹き飛ばします。
初級クラスの魔物であれば一撃で仕留められますが、中級以上だと目潰しにしか使えませんね」
アドは冷静に解説した。シャーペンは興奮のあまり、ペンの先からシャー芯が飛び出ていた。
困惑しながら指摘する彼女。
「あの……出てますよ」
「すみません」
◇◇◇
魔法を見た事により、戦いたいという意志が湧いてきたシャーペンに、ちょうど良く魔物が現れた。
コウモリのような魔物だ。彼の数倍の体の大きさを誇る。
「でっか…」
コウモリのは羽を羽ばたかせて風を起こした。
シャーペンも攻撃するべく、シャー芯を銃弾のように発射する。
その時、風でアドのスカートが捲れそうに…!
「(お…⁉︎)」
彼女な方を向こうとしたシャーペンは、風で吹き飛ばされた。
彼の方が数倍、軽かった。
「ァァァァァァァァァァァ助けてェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!」
「何してるんですか…
シュパッッ
コウモリの体が細切れになる。アドが魔法を発動したようだ。
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