第4話 注意、戦わず
「あの日、災いが私達の村を襲った。
災い達は何人もの犠牲者を出しました。
私は、災いに勝つことができなかった……」
菊花さんは辛そうだった。
「人の心には炎のようなものがあります。
ですが、それが消える事により災いが生まれ
る。災いとは、人々から
負の感情そのものなのです」
私は納得できない。
「でも、神様なんでしょう? なぜ力を失ってし
まったんですか?」
三雫さんは私を見つめた。
「神様は人の
人が神を信じれば信じるほど、神は強くなる。
だがそれが薄まれば、神様は力と共に亡くなっ
てしまうのです」
鐘が三回鳴った。
三雫が立ち上がった。
「これから食事の間に案内します。
皆さん、行きましょう」
−食事の間にて−
食事の間はとても広い部屋で、縦長のテーブルが何箇所にも並んでいる。そして、もう大勢の人達が中にいた。
〈注意!!〉
壱、走らず
弐、戦わず
参、汚さず
という看板が入り口にあった。
「戦わずって何?」
看板を見ていると、5歳ほどの男の子が私の袖を引っ張た。私はしゃがみ、目線を合わせた。
「どうしたの?」
「あも、あっちに綿あめあったよ! 行こ!」
私は男の子の手を掴んだ。
「待って、なんで私の名前知ってるの?」
男の子は不思議そうな顔をしている。
「なんでって、コロネとさっき話してたじゃん」
私は理解した。
この可愛い声、黒い服、幼い容姿。
「えっと、コロネさん……?」
「うん、早く行こ!」
コロネさんに手を引かれ、綿あめを作るのを待っていた。その時、菊花さんとすれ違った。
「菊花さん!」
「愛望さん、綿あめから食べるの……?」
「いえ、これはコロネさんの分です。
あの、コロネさん人の姿なんですけど……」
「まぁ、ここペット禁止なので仕方ないですね」
そう言うと、三雫さんがいるテーブルに行った。
仕方ないで変身できるのか……!?
すごいなぁ。
あとマニュアルかな。
三雫さんがなんか見ながらすごい早さでご飯食べてる……。
ここはバイキングなので、好きなものを食べて良いそうです。
味噌汁や梅干しなどの和食だけではなく、パンやシュウマイ、カレーなどの和食以外のものも沢山ありました。
味噌汁、ご飯、サラダ、ヨーグルト、綿あめ
を完食しました。 美味しかったです。
コロネさんが手を合わせた。
「せーのっ」
「ごちそうさまでした」
コロネさんとの仲が深まったと思います。
三雫さんは資料をまとめに。
菊花さんは神様達の会議に参加されました。
まだ、子供で良かった。
大人は何かと忙しそうだ。
「三雫様の代理人を務めさせていただきます。
ここには温泉がございますので、これからご案
内致します」
私たちは木瓜さんという方に案内され温泉に着いた。
コロネさんはペット専用の温泉に行った。
神の使いなのに、ペット扱い……。
「では、これから注意事項を教えます。
一、騒がない
二、戦わない
三、壊さない
これらを必ず守っていただきます。
何かございましたら、お近くのスタッフにお声
掛けください」
「ありがとうございます」
戦わないって何?
温泉で戦った人がいたのか……。
それにしても広い温泉だなぁ。
お客さんはやっぱり老人の方が多いんだ。
それと……
アヒルと桃の数すごいな。
お湯見えないし、溢れてるじゃん。
「キャー!! 逃げてくださいつ!」
「え?」
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