大阪事変ー46の都道府県と1の府たちの奮闘ー

保冷剤

全ての始まり



何が起こったのだろう。



光もなく、あたりは真っ暗。



動くことも、話すことも出来ない。




そこにあったのは、痛みだけだった。




ーーーー




梅田にて起こったその事件は、当事者と梅田に即座に知り渡った。梅田ことメイは、すぐに近畿の人達に知らせに行った。大介の意識がないこと、原因不明の爆発・炎上事故が発生したこと。もろもろ全て話した。

その話を聞いた奈良・幸憲が発言した。


幸憲「どう考えても不自然。」

「僕にはわかる。これは"テロ"だ。」


そう発言すると、メイ含め近畿は黙り込んだ。テロに巻き込まれただけの大介がこんな目にあっていいのか。これは、梅田、加えて大阪だけの問題なのか。皆、甚だ疑問に思っている。皆揃えて、そう言いたいのだ。沈黙を突き破るように、滋賀・英司が言い放つ。


英司「これは大阪の問題じゃなく、日本の問題だろう。近畿だけでなく、全都道府県を集め密集会議をすべきではないだろうか。」


そう言う英司の言葉に賛同するように皆頷いていた。さすればメイがついに口を開く。


メイ「…それでは、滋賀様のご意見に賛成、または反対なさる方々は都道府県名、名前、年齢と共に合否を述べてください。奈良様から。」


そう淡々と述べるメイに続き、幸憲が発言する。ちなみに名前を確認するのは司会がまとめやすくする為であり、年齢は近畿の文化。


幸憲「奈良県、藤原幸憲。1300歳。」

「賛成だよ、文句なしだね。」


続いていく


和樹「和歌山県、中家 和樹!29歳!」

「自分も賛成さ、英司!」


英司「滋賀県、賀藤 英司。21歳。」

「この意見の発案者だ。」


愛吉「京都府、天野宮 愛吉どす。23歳。」

「私も賛成どすえ。」


真一「三重県、井上 真一。25歳。」

「賛成。」


兵十郎「兵庫県、呉八 兵十郎、1200歳。」

「賛成やで、英司。」


メイ「ありがとうございます。満場一致で賛成ということで、日本全体での全国会議が可決致しました。」


必ず大阪を助けなくてはならない、そういう重い使命がメイの首を後に締めるとは露知らず……この全国会議が始まることになった。


解散後、メイと兵庫は奈良の事務室に来ていた。この事件の真相を探るために、様々なことを調べる必要があるのだ。


幸憲「メイ、君にはパソコンでの情報収集をお願いしてもいいかな。」


メイ「はい、喜んで。どのような事を調べればよろしいですか?」


幸憲「主に3つ。1つは場所、2つは爆弾の種類と場所、3つは首謀グループ。」


奈良や世間は発生場所がどこかは判明していないという。梅田駅なわけだから、当事者はいくらでもいるはず。しかし、記憶処理剤により無かったことにされ、場所も何一つわかっていないようだ。そのため、調査が必要だと言うのだ。


時限爆弾なのか、スイッチ型なのか……そこもよく分からないそうで、調査が必要。


そして、この事件を解決に導く首謀グループとは何でどこなのか。それは1番の重要事項だという。それはそうなのだ。分からなければ一生未解決なままだ。時効が来る前に解決する事が重要だと考えているのだろう。


幸憲「…とまあ、そういうことで。お願いね。」


メイ「分かりました。」


幸憲「兵十郎、貴方は大阪の介護へ。」


兵十郎「御意。」


瞬間移動のごとく消え去った兵庫さん。きっと大阪のいる所へ行ったのだろう。そしてメイは、情報を掴むために文明の利器を開く。

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