第58話 お家デートってコト!?
✕ ✕ ✕ ✕
何故か俺は今。沙奈の家に上がっている。
いや、というのも、なぜかその場のノリで家にあげられていた。
「あ、そうそう。今日、うち親いないから」
という爆弾発言が飛び出していた。いや、沙奈がそういう糸を持っていっているのはわかっているのだが、どうしてもそんなことを言われると意識してしまう俺のことを許してくれ。
あれだな、とりあえず、素数でも数えるか。と思うが、素数を数えても素数を思い出すことに時間を要して、逆にイライラしてくるのは仕方ないことだと思う。
仕方ないので念仏でも唱えてみるかと思うが、そもそも念仏も知らないなと思い直す。同仕様もないなと思う。
まあ、無。だ無を意識すれば……。どうにもならないな。
これが俺だ。これでいいと思う。というか、こんな事を考えているうちにどうでも良くなってきた。これでこそ俺だと思う。
自分を愛することが大事。問題の解決こそが諸問題への根本的な解決につながるわけではない。うん。まあ、つまり目に見える問題を解決しても根本的な問題の解決には至らないということだ。
つまりは今なにかをすることによってより状況が悪化する可能性があるので、なにもしないほうがいいよねという。夜のニートがありがたく近いそうな言葉を即興で考えてしまう俺は小説家になったほうがいいのではないかとか錯覚してしまう。
まあ、でもあれだもんね。小説家ってなるの難しいらしいしね。
あんまり世の中を理解していな俺がとやかく言えないしね。そんな高尚な意見言えるわけがないよね。……小説家になるべきって考え、そんな高尚じゃないか。
いや、というか。沙奈と家に二人きり。考え方を考えればお家デートということに……。に。に!? 翌々考えてみればお家デートじゃねえか!
びっくりした。あまりにも初歩的な問題が抜け落ちていた。
お家デートじゃん。……お家デートじゃん―――!
俺は心のなかで何度もそれを繰り返す。何回目かでやっとず分を俯瞰できるようになってきて、キモいな。そう思うと急に冷静になれた。
やっぱり人は他人の意見を受けて動いているんだなと思う。
俺は殺気明らか自分の意見絵動いたけど、そういうことはどうでもいい。
……いや、どうでもよくない。でも、いまはどうでもいい。
そんあ事を考えていると、キッチンから沙奈が顔を出していた。
「コーヒー飲む?」
「飲む」
「じゃあ、いれるねー」
……なんか、気まずいな。気まずくない?
なにか喋っていないと、気まずいような気がする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます