第8話 新たなる伝説の人物達

 クウゴロウ、ババス、ロイガルド


 クウゴロウは麦わら帽子を深々と被り、黒色のコートを着用していた。

 目は深い青色をしていた。

 彼はこちらをじっくりと見て、深々しい笑顔を浮かべた。


「こりゃーいいねー久々の人間の世界は楽しめそうだ。今まではモンスターの世界で生きてきたからなー」


 今、ガルフの頭の中には異世界の記録がある。

 クウゴロウと言う人物について、知識がある。

 しかも、この世界で暴れたこともある記録がる。


 魔王クウゴロウ。

 人は彼をモンスターの先導者と称し。

 彼はモンスターを指導し、魔王を殺した。

 魔王殺しの魔王。

 クウゴロウ。


「モンスターの事なら任せてくださいよ、このわっちにね」


「それなら、後程お願いしたい事が」


「ふふん、わっちで何か出来るのならしようと思うさ~」


 次に開けた箱、ババス。

 桃色の髪の毛、白いシルクのようなローブ。

 美形であり、しなやかな両手足。

 つんと張った瞼。


「わらわを呼び出したのはそなたか」


 ババスの知識。

 天界の記録から引っかかった。

 天使王ババス。

 この世界にも降臨し、天地戦争を勃発させた張本人。

 彼女の知識は測り知れず。

 ありとあらゆる言葉で人々を翻弄した。


「わらわはどうやらまたこの世界にやってきてしまったようだな」


「あなたには俺の言葉を皆に伝える事をお願いしたい、いわば軍師のポジションだ」


「そうか、わらわはどうやらまた知識をさらけ出す必要があるようだな」


 ババスの背中から無数の翼ではなく羽飾りのようなものが出現する。

 軽く空中に浮遊している。


 次に開けた箱、ロイガルド。

 緑色の髪の毛、額には3つ目の瞳があり。

 青年程の年齢。

 三つ目族。

 地下都市の記録から抜粋。

 地下深くに眠り続ける三つ目の王。

 彼もこの世界に降臨した記録がある。

 その時ババスと戦争になったはずだ。


「やぁ、ババス、どうやら今回は味方のようだね」


「はは、ロイガルドよ一度手合わせしようか?」


「それはやめておいた方が良い、そこのガルフ様に殺されかねないよ、どうやら俺達は逆らえないらしい」


「そうだな、そうしようか」


 ロイガルドはこちらを見ている。

 突如現れた細長い槍。

 それを構えながら。


「何をすればいいかな、お酒にはめっぽう強いんだがね」


「それなら、酒造りをお願いしたいんですが」


「ほほう、それは楽しみだ」


 3人の役割。


 クウゴロウがモンスター担当。

 ババスは軍師担当

 ロイガルドはお酒担当。


「クウゴロウさん、今からモンスターを解き放つので使役してみてください」


 クウゴロウがごくりと頷く。


 箱を同時に空ける。

 モンスターが出現する。


B==ドラゴン【ヴォレル】

B==ドラゴン【ドラル】

B==グリフォン【グリード】

B==デビル【オメガ】

B==エンジェル【テメリア】

B==巨人【タルタロス】

B==ミノタウロス【デリード】

B==ゾンビ【バロッス】


 以上が出現してくると。

 もはや周りにいる領民たちがパニックを引き起こした瞬間。

 モンスター達が謎に消滅した。


 クウゴロウさんの手元には箱があった。


「【スキル:モンスターボックス】これはモンスターを収納する事が出来るんだよ」


「これから、1体ずつ対話していく、時間がとてもかかる作業なんさ、いくら魔王殺しの魔王なんて呼ばれていた時代もあったけど、対話は大事さ~」


 クウゴロウさんは麦わら帽子をまた深々と被ると。


「後で、他の人達とも顔合わしとくと良いよ」


 3人が頷くと。

 

 ガルフは彼等がそれぞれ独自の活動を始めようとしていたので、軍師担当のババスさんを呼んだ。

 

「ババスさん、俺が秘めている知識をさらけ出します。それを書物か何かに書き留めて欲しいのです」

「ふむ、良かろう」


 その日、ガルフとババスは永遠と対話を続けていた。

 ババスが書物に書き留めている間。

 クウゴロウはモンスター牧場計画を進め始め、ロイガルドは果樹園の視察をしながら世界樹の酒を造る方法を模索し始める。


 ロイガルドとパトロシアが出会った時、新しいアイディアがどうたらという叫び声が聞こえたほどだ。


 夜になり朝になり夜になり朝になり、3日が経過した。


 ガルフの眼の下にはくまが出来、ババスの美形で天使のような女性の顔にも少しだけ陰りが生まれてくる。


 そうして、全てを語り終わると。

 いつもの、何も考えていないガルフがいて。

 彼はごくりと生唾を飲み込み。


 そこにぶっ倒れたのであった。


「ガルフ様!」


 リンデンバルク執事長が背負ってくれて、ガルフの寝室に案内してくれる。

 そうしてガルフは眠りに入った。



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