第7話 領地拡大
ガルフの領地とジンネの領地が合併し、ライクド領地へとなった。
各地の領地に知らせが届いたのは時間の問題で、1500人の兵士が5人に瞬殺され。
それから数時間後にはジンネの領地の兵士が皆殺し、さらにハーレムの女も皆殺し、奥方も殺され。
ガルフ領主がダメで、なよっとしていて弱小でという噂は虚言壁だと思われていた最強説へと塗り替わった。
「ガルフ様、とりあえず2つの領地を城壁で繋げました。これぞ合体でございます」
「ウィンダムさん有難うございます。それと死体をリサイクルできる事に気付きました」
「お、恐ろしい、けどそれがガルフ様です」
リサイクルガチャ、自分の領地、つまり自分の所有物をリサイクルする事でガチャ券を得る。
「あとはいらない建物をリサイクルしちゃいたいし、ゴミも排泄物もリサイクルできるし、一石二鳥だよね」
「問題があります。領民がガルフ様を怖がっています」
「はは、ゼーニャは俺が怖いかい?」
「いえ、ぜんぜん、むしろ可愛いです」
「はは、そうかい、俺は剣を握るとどうしてもサディストまたは気分が高揚してしまう。剣はあまり持たないようにしようかな、じゃあ、今の俺を見てもらうために、視察しようじゃないか」
かくして、元ジンネ領主の領民を視察しようとしたのだが。
剣をゼーニャに預けた。
まず、ガルフは果樹園を眺めて、立派な建物を眺めて。
民がびくびくとこちらを見ているのを眺めて微笑んであげた。
1人の子供が近づいてきて、握手した。
1人また1人と握手していく。
彼等は感動したのか。
「ガルフ様!」
「ガルフ様!」
と連呼しだした。
「困るよー俺はそんなに偉くないんだからさ」
「噂は嘘のようだ。ガルフ様は優しい」
「誰だ。化け物のような人だと言ったのは」
「ガルフ様ーもっと領民を大事にしてくれええええ」
「もちろんだよみんなー」
リンデンバルク執事長は隣でハンカチで涙を拭っている。
「このお方はどこまでどこまで、計算していらっしゃるのか」
「いや、計算してないからね? 頭使うの疲れるし」
ガルフはげらげらと笑う。
「それにね、頭を使うと混乱するから、感じるがままに動くんだよ」
ぐさ!
何かが手に刺さった。
毒針だった。
「あ、意識が」
「きゃああああああ」
ゼーニャの悲鳴。
ガルフは暗殺行為を受けた。
訳だが。
「いや、大丈夫だよ」
ポケットから葉っぱを取り出して齧ると、にこやかに紫色の顔色が治る。
「う、嘘だろ、牛が1秒で死ぬ毒だぞ」
「そいつを捕らえろおおおお」
領民たちが暗殺者を捕まえると。
「はは、君、俺を殺そうとしたんだね、それはひどいなーちょっとゼーニャ剣を貸して」
「はい」
ガルフは剣を受け取ると。
「だーかーらー暗殺はむかつくんだよおおおおおおおおおおお」
領民がいる前で、暗殺者の首を両断。
領民たちから悲鳴があがる。
「は、覇王だ」
「ば、化物だ」
「さ、逆らうな」
「が、ガルフ様」
「ガルフ覇王様」
「ガルフ様ああああああああ」
領民がある種の洗脳によって、ガルフ崇高になっていった。
★
「ふぅ、死ぬかと思ったよ」
新しく建てた領主の屋敷。
まず、最初の領地には世界樹が生えている。
次の領地には果樹園が無数にある。
その狭間に領主の屋敷を設立。
ウィンダムさんが即座に建設してもらった。
石材、木材があれば、ウィンダムさんのスキルでなんにでもなってしまう。
「ウィンダムさん、オリハルコンの件、よろしくね」
「もちろんです、アキレスドンさんが鉱山からものすごい数の石材を集めてくださいましたので、オリハルコンの城壁が可能です」
「うんうん」
「畑ならなんとかなりそうだぜ」
「ミヤモトさんもご苦労さん、冒険者ギルドはどう?」
「ジンネの領地の冒険者ギルドのマスターに色々と教えて貰ってるぜ」
「そりゃー良かった」
「パトロシアさん、世界樹の葉はこの領地の貯蔵庫にしまって欲しい。その後、果樹園の人と相談して世界樹の酒を造ろうと思っているんだよ」
「それは素晴らしい」
パトロシアさんも感激してくれたようだ。
「おい、無限ダンジョンのボスを倒す前の4人の配下だが、龍王の首はとって来たぜ」
「アーザーさんやりますねー」
「人間じゃないから殺せる。ダンジョン攻略は僕向きだな」
アーザーさんの傍らには龍王の首が落ちている。
「それもリサイクルしようかー」
「そうしてくれ」
「じゃあ、神声さん、この領地にある全ての死体と排泄物と壊れそうな建物、全てをリサイクルしてガチャ券にしちゃって」
【告知 任せてくれ】
その日、ライクド領地から空にと光の柱が無数に上った。
周りの領地達からは神様が無数に覇王ガルフを殺しに来たのだと通達されるほどだったが。
それは彼等の願いにしか過ぎなかった。
それをガルフはゼーニャメイド長から聞かされたものだ。
ガルフの手元にはガチャ券が30枚握られていた。
「ふぅ、これはドキドキしてきたな」
「ガルフ様、頑張ってください」
ゼーニャメイド長が目を輝かせながらこちらを見ている。
ガチャ券を破ると。
30個の箱が領主の屋敷の広場に出現する。
とても大きな箱、最初に現れた箱と同じくらいだろうか。
Sが3個
Aが7個
Bが10個
Cが2個
Dが8個
「またまたついていたみたいです」
D==食材レシピ
D==資材レシピ
D==建設レシピ
D==食材レシピ
D==資材レシピ
D==建設レシピ
D==武器セット100個
D==防具セット100個
C==超人薬
C==硬化薬
B==ドラゴン【ヴォレル】
B==ドラゴン【ドラル】
B==グリフォン【グリード】
B==デビル【オメガ】
B==エンジェル【テメリア】
B==巨人【タルタロス】
B==ミノタウロス【デリード】
B==ゾンビ【バロッス】
A==機械文明の記録
A==天界の記録
A==浮遊都市の記録
A==地下都市の記録
A==万物の定理
A==次元の記録
A==異世界の記録
S==クウゴロウ
S==ババス
S==ロイガルド
レシピ系の物は取り合えず、資料として図書館なりを設立してそこに貯蔵する。
その後、見たい人が見て使えばいいと思う。
武器セットと防具セットは今後領民に武装させるのに必要だと思う。
超人薬と硬化薬については。
「パトロシアさん、この薬量産できませんかね」
「ほほう、原薬があれば、可能ですよ」
「お願いします」
モンスターがしまってある箱は空けるのを後回しにしておく。
モンスター関係の人がいないと暴走する可能性があるからだ。
最悪な事にまだモンスターに詳しい人を知らない。
先に記録系統を開くと。
ガルフの脳内に全ての記録が流れてくる。
膨大な量の記録にガルフの脳内は爆発しそうになるが。
機械文明、天界、浮遊都市、地下都市、万物の定理、次元、異世界。
知らなかった知識が今、流れてきて。全てはあり得る話なのだと痛感し。
「この知識を書き留めたいが俺はバカだし」
文章をろくに書けないし。
言葉で伝えて誰かが代理でなんとかしてくれないだろうか。
何かガチャでそんな人を当てたい。
そう願って、人が入っている箱を開ける事にした。
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