第9話 "夜空に輝く一つの光"

私は少し落ち着きを取り戻して一輝に「一輝、私が亡くなっているなら何で''この世界''が在るの?」と聞くと一輝は「意識が無い時に''夢''を見たんだ。」と言うので「''夢''?」と私が聞くと一輝は語り始めた。「そうだ、その''夢''には居ないはずの''凪''が居たんだ。''夢''でも凪と話せた。まあ俺の記憶とか、感情が無かったけど。でも昔凪が聞いてた曲とか話していくうちに俺の知っている凪になったいった。

''夢''から覚めると一人の''銀髪の少女''が居た。その少女にこう言われたんだ。''まだ夢を見さしたあげるから佳奈の分まで最小限の悔いでお別れを告げるんだよ。期間は流星が流れるまで''。って言われても中々別れを告げられなくてさ。わざわざ俺の設定も考えたんだぜ。」と言うので「ああ、あの転校生ってやつか。」と私が言うと「そう考えるのに結構時間かかった。ごめんな、最後がこんなんで。」と悔しそうに一輝が言うので「ううん、これで良いんだよ。逆にこれが私達らしい。ありがとう。」と私は微笑んで言うと「こちらこそありがとう。佳奈にもしっかり伝える。」と一輝が泣きながら言うので「泣くなよい一輝、男だろ。私まで泣きたくなるじゃないか。」と半泣きの状態で言うと「いや最後なんだから泣いて良いだろ!」と一輝が言うので「まあ、そうだね。」

徐々に私の体が光っていく。「もう終わりなのか?」と一輝が言うので「今までが特別だったんだよ。それに''夢''は覚めるものでしょ。」と言うと「そうだな。」と一輝納得して言うので私は最後に「なあ、私思ったんだ。一輝の''名前''の由来。ほら一輝に親が居ないじゃん。だから私考えていたの。一輝がもっと自分の名前を好きになって欲しくて。」と流れる流星を見て「夜空に輝く一筋の灯り。''どんなに曇っていても必ず私を照らしてくれる光。」と言うと一輝も「ああ、きっと佳奈も気に入る。俺は''夜空に輝く一つの光''。だからどんなに離れていても凪、お前を照らしてやんよ。」と一輝は私を抱きしめながら言うので「ありがとう。温かい。」と私が泣きながら言うと「凪、最初で最後だからよく聞けよ。」と今にも消えそうな私を強く抱きしめながら「ずっと好きだった。愛してる。」とその言葉と同時に私の意識は完全に消えた。

「最後ぐらい返事を言えよ。」と俺は崩れかけている世界に一人呟くのだった。

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