墨田晴嵐 推定殺害数0人

「ようやく追い詰めたぞ正式ぃ!クソシリアルキラーが!正義って言葉を使えば殺人が正当化されると思ってんのか!?自分ルールも大概にしやがれ!」

「自らの行いを棚にあげないでくれるか?仲間を守る為に正当防衛で殺しただけの民間人を君達は何人殺してきたんだ?」

あれから2年、徹底的に自称ヒーローと殺人鬼の崇拝者を徹底処刑したお陰で犠牲者の数は減っていた。

だが現在世界人口は30億程度まで減少しており後がない。

だからこそ数多くの自称ヒーローの模倣先である

正式を殺さなくてはならない。

「懸賞金は死ななきゃなんねぇ人間にしかけられねぇよ…全人類から破滅を望まれてんだ…当然政府からもな、だから殺しても罪にはなんねぇ!」

「めちゃくちゃ過ぎるだろうが!殺されそうになったから殺し返すのも!殺されそうになった仲間を助けるのも!全部正しい事だ!第一自分ルールを振り回してるのはそんな素晴らしい俺達ヒーローにいいがかりを付けて仲間ごと殺す…そんな理不尽な行いを正当化しているお前らの方だ!」

「レートが合わねぇよ…」

「!?」

「自称ヒーローに殺された人達のほとんどは死刑囚ですらないただの一般人だった…」

「だが」「だがじゃねぇ!正当防衛だと!?てめぇは1人の女を助ける為に何人殺してきたんだ?何度も言ってるけどなぁ…人を犠牲にしねぇと生きられねぇ奴は…例外無く死ぬべきなんだよ!第一助けを呼ぶ事で自称ヒーローを呼び寄せる事は立派な殺人なんだよ!」

「なんだよそれ…殺されそうになって助けを呼んだだけだろ!?」

「それだけで…人類は30億人まで減少した…自称ヒーローが殺しまくったからだ!家族を失った事による自殺も多発した!死刑囚ですらねぇ全ての人間は生きるべきなんだよ!その為にまずてめぇは死ぬべきだ!」

「違う!ヒーローアンチ共は無実の俺達を責めた!正当防衛だという事実を聞いても理解できず逆ギレして殺そうとした!人の命をなんだと思ってるんだ!?」

「自称ヒーローがいる限り理不尽に殺された犠牲者は悪人だった事にされる…なんつー尊厳破壊だ!そんな扱いを受けた遺族が…どんな想いをするか分かるか?」

「理不尽だと…!?オレ達の行いが理不尽だって言うのか…!?」

その時正式の脳内に仲間の言葉が浮かんだ。

【ボクの事人間扱いしてくれるの君くらいだよ…ただ暴力を振るう人間が居なくなるだけじゃボクは生きたいとは思えなかった…全部君のお陰だよ…ボクを悪人から助けてくれて…ボクに人間として接してくれてありがとう!大好きだよ!】

「理不尽を無くす為に…」

【私は生贄なんです…独裁者が一度だけ使う為に生み出された使い捨てのホムンクルス…それが私なんです…だから助けようなんて思わないでください…あの独裁者は強情です…きっと国そのものが滅びるまで止まりません…だから…】

「新たな理不尽を…」

【治療しなくていい…俺の体の事は俺が一番分かるんだ…この結末に後悔するんだったら…俺への謝罪なんていらない…その優しさは別の助けを求める人達へ向けてやってくれ…一生に一度の願いだ…聞いてくれるな…?】

「生み出してんじゃねぇ!」

正式の体が光り輝いた…。

万象魔法…後に最強の魔法として語り継がれる力に正式は目覚めたのだ!

「な!?この光は…なんだ!?」

「オレは…」

もう…どれだけ否定されても…意志は曲げないと

…そう誓った!

「オレ達は…ヒーローだ!!」

最後の戦いが始まった!

獄落銃…それにはいくら魔法が強くとも大量殺戮を可能とする威力でもこの武器には魔法無効化が備わっていた。

その性能は研究が進むごとに跳ね上がっていき、やがてあらゆる魔法を無効化できる性能へと変貌した…はずだった…

「獄落銃が…壊れた…だと!?」

「感覚で分かる…今この瞬間、オレの放った光によって悪意に満ちた兵器は全て破壊された…」

「バカな!?あり得ねぇ!像が踏んでも壊れねぇ耐久性だぞ!?魔法無効化機能がなぜ発動しねぇ!?」

「悪人には分からないだろうな…永遠にね!」

この力の動力源は絆だ…。

「この攻撃は悪人にしか効かない…だからためらいはしない!「ライトニングブレイダー」」

オレが生成した光る剣による何重もの斬撃による衝撃波は敵に回避されたものの巨大化し世界中の悪人の元まで届いた。

シュバーン!チュドーン!

「今ので2千万くらい倒せたみたいだな」

「なんて事をしてくれてんだ!嘘であってくれ!」

「現実から目を背けるな!お前達の悪意がこの結末を生んだんだ!」

「クソがぁ!こうなったら奥の手だ!武器が無くても俺には魔法があるんだ!転移魔法で…」

「転移?逃げても意味ないと思うけどな?」

晴嵐は転移魔法を行使した…この世界とは別の場所へ…


自分の名前はyu。しがない小説家だ。

まだ新人なもので四苦八苦しているが好みの展開を書いただけにも関わらず想像以上の評価を貰えている。

読者には頭が上がらない。

そんな自分だがある衝動を抱えていた…

それは…

「歪んだ正義を否定する真の正義ヅラ」した冷徹イケメンが黒髪チート男を煽り散らす話が書きてぇ…

そう思ったのだ。

そうして俺は執筆を始めた、タイトルは…

「歪んだ正義を否定する真の正義ヅラ」した冷徹イケメンがチート黒髪男を煽り散らす話が書きてぇ〜美少女の為なら平気で百人殺せるルッキズムクソ野郎は俺が殺します〜

である。

「あれ?新作のフォロー率が高すぎるな…嬉しいぞ、やる気が湧いてきた…って」

「手を挙げな…」

自分は何処からともなぬ出現した見知らぬ男に銃で脅された。

「!?何!?何なんだ!?自分の部屋に知らない男が!?」

「墨田晴嵐…この名前に聞き覚えはあるか?」

「あるけど…それがどうしたってんだよ!?現実には居ないだろ!?」

「俺の転移魔法で世界の創造主のいる場所まで転移した…」

「薬でもやってんのか!?創作上の話だろ!?現実とは関係ねぇだろ!?」

パァン

晴嵐は自分の足へと発砲した。

「グッ…!」

「安心しろ…普通の銃だ、要求を飲んでくれれば悪いようにはしねぇ…」

「自分は何をすればいいんだ…?」

「正式達自称ヒーローを全滅させて世界を平和にしてくれ。お前にはその力があるんだろ?」

「何を言って…!?」

「普通の人間が拷問に耐えられるとは思えねぇ…意地を張るのはオススメしねぇぞ?」

「そんな事が一度でもまかり通ってしまえば…全ての創作者達が何も出来なくなる…許されると思っているのか!?」

「イカれたシリアルキラーみてぇな理論だな…人の命より自分のこだわりが優先とはな、てめぇが自称ヒーローを生んだのは間違いねぇみてぇだな。創作者とやらによって自称ヒーローが生まれるってんなら…創作者に権利なんざ認められねぇ…転移魔法と修理した獄落銃で創作者を殺し尽くす…」

「ユウ様!?ご無事ですか!?」

そこに自分の恋人が買い物から帰ってきた。

「フィオ!?こっちにくるな!逃げてくれ!」

「当然仲間も無事では済まさねぇ…これで世界に平和が訪れる…正式ぃ!この勝負…俺の勝ちだぁ!」

墨田晴嵐の敗因は万象魔法がどういったものなのか理解していなかった事である。

「クズにできる事はヒーローにもできる…知らなかったのか?」

「正…し…き…正式!?」

そこにいたのは光り輝くヒーローだった…

「な、何故こんな所に!?お前の魔法は転移魔法じゃなかったはずだぞ!」

「俺が目覚めた万象魔法の力さえあればあらゆる魔法を強化した状態で使えるんだよ」

「何だと!?」

「ユウさん貴方の事は治療しました、彼女さんごと安全な場所へ飛ばしますね?」

「ありがとう、恩に着るよ」

ヒーローはyuとyuの彼女を転移させた。

「さてと、これが奥の手のつもりなら期待外れもいい所だな」

「待て!」

「言い訳しても運命は変わらないと思うが…」

「お前は人を殺す事は許されないと言っていただろ!なのに俺を殺すのか!?自称ヒーローは殺人鬼とまったく変わらない極悪人だ!死ぬべきなのは自称ヒーローと崇拝者だけなのに…何故無実の人間が死ななければならない!?理不尽だろうが!」

それは奇しくも自身が殺してきた来た人間の命乞いと酷似していた。

「相手の主張を信じず殺したのは誰だ?」

「は!?違う!てめぇらは犯罪者だが俺は法の名の下に正義の裁きを下していただけなんだ!当然無実なんだよ!言いがかりをつけるなぁ!」

「万象浄化砲」

「ひぇ!?」

虹色に輝くビームによって晴嵐は消し飛んだ。

「生かした方がより苦しめられるのに…手加減し忘れてしまった…でも殺した事に後悔はしてないよ…だって…」

【ありがとう!ヒーロー!】

いつの時代も同じ言葉がヒーローを生み出す…

それは…

「助けてって言われたからね!」


こうして…創作者最大の危機は未然に防がれた。

だが…

「まだやらなきゃいけない事がある」


ここはとある産婦人科

今日は墨田アルトと墨田エリの子供が生まれる日である。

「ねぇ貴方…名前は何にするか決まってるの?」

「当然さ…晴嵐…晴れの嵐と書いて晴嵐だ!」

「まぁ!いい名前ね!きっとこの子は元気に育つわ!」

数時間後

「元気な男の子ですよ〜」

「まぁかわ」「悪いが介入させて貰うよ「ブレインコントロール」」

突如として出現した正式によってその場に居た人間全ての頭上から触手が降りてきて脳内へと侵入した。

「悪いけど操らせて貰ったよ。これでお前を起点に始まった惨劇も未然に防げる…じゃあな」

ヒーローは元の時代へと転移していった。

その後墨田晴嵐は本来ではあり得ない程誠実に生き、20年後急に命を絶つのであった。


2125年人類は魔法を扱えるようになった。

容易に扱える…だからこそこの力は管理されるべきだった。

だが魔法が悪用される事はなかった…

その理由は当然…

「助けてくれてありがとう!緋色!」

「緋色君の優しさに私も救われてるよ!いつもありがとね!」

「緋色さんに憧れて俺も人助けを始めたんです!いつか緋色さんを越えて見せますね!」 

魔法が使えるのは何故か善人だけだった…

そして魔法が使えない人間も魔法所持者を疑う事はまったくなかったのだ。

よって魔法は治安維持などの正しい事の為だけに使われた。

「ほ、本当に僕を殺すのか…!?この桐崎ざくろを!僕は無実なのにバカの被害妄想を信じるのか!?」

当然悪人に勝ち目はない。

「オレは仲間を信じるよ…それが未来に繋がるって…信じてるから!「ライトニングドライブ」」

「ぐぎゃああああああ」

「また緋色が悪者を倒したぞ!」

「緋色様素敵ー!」

「おれもいつか緋色みたいになりたい!」

「はは!きっとなれるさ、守りたいという意志を抱き続ける限りね!」

絶対負けなくて絶対守れる程の強大な力を持っていても多分オレは最強なんかじゃない。

オレの力は皆の想いが畳なって生まれたものだからね。

しいて言えば…オレの仲間は皆最強!って感じかな?

オレはそんな事を考えながら仲間達の元へと走った…。

ヒーローの視点ではめでたしめでたし

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「歪んだ正義を否定する真の正義ヅラ」した冷徹イケメンがチート黒髪男を煽り散らす話が書きてぇ〜美少女の為なら平気で百人殺せるルッキズムクソ野郎は俺が殺します〜 yu @yuyu1341

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