殴って殴って殴って殴れ。
第2話 日銭を稼ぎたい。
どうせ長くなっちゃったしこのままオススメの迷宮と金になりそうな物でも聞いておきますか...
「長くなったついでにもう2、3質問しても?」
「はい、大丈夫ですよ?」
受付嬢は不思議そうな顔をしながらこちらを見てくる。
「まずは、お姉さんのお名前を伺っても?」
「お姉さんだなんて、もぉ〜」
ニマニマしながら名前を教えてくれた。
「改めてまして、ニーナって言いますアレンさんとは長い付き合いになりそうなので、よろしくお願いしますね?ささ!次の質問をどうぞ!」
「ニーナさんですね?しっかり覚えてました。それでは気を取り直して、迷宮に入って何を売ればお金になりますか?」
そう、何を隠そう無一文である。3日やっていけるだけの小銭じゃ余りにも少ない!ここに着くまでに6日かかるんだぞ!
飯は2日に一回しか食べられなかったし、それ以外のお金は移動費に消えた。最悪野宿することになる。
「あはは、なんとなく察してだけどやっぱり無一文なんだね。しょうがないお姉さんが教えてあげましょう!」
なんとなく察して下さってありがとうございます。あまりにも、分かりやすい質問だったのだろうもう完全に口調が崩れておられる。
「まず!迷宮は初心者オススメ!攻略したって対して旨みのないGランク迷宮!1日ぐらいの日銭を稼ぐのにはもってこい!
この受付嬢なんて物騒な迷宮紹介してくるんだよ。そんないかれた別名ついてる迷宮なんて俺はいきたくないんだけど。
「チェンジ!チェンジでお願いします!!物騒な別名ついてる迷宮紹介してくるお姉さんも一緒に変えてください!!!」
「チェンジはできません!ギルドはしょっぱい迷宮の溜まった魔物を片付けられる。アレンくんは日銭を稼げる、私は受付嬢としての評価を貰える。なんだったこれかも私のところに来てくださいね?」
なんだこいつ!図太い!
「まぁ、冗談はここまでにして。別に死んでこいと言っている訳ではないですよ?ちゃんと考えて紹介してますから!」
「先にそれを教えてください!じゃないと今度こそチェンジして貰います!」
「はーいじゃあ真面目に説明しますね?今度はよく聞いてくださいよ?まず、なんでここが初心者スレイヤーなんて呼ばれているかと言いますと。出現する魔物がなかなか硬い虫でですね、手のひらぐらいの大きさでなかなかの速度で飛んできます。それが頭に当たって後は言わなくても分かりますね?」
「死因は聞いてません!!それでなんで俺だったらそこを攻略できると思ったんですか!?」
ほんとになんでそんなこと思ったのか真剣に話して欲しいんだけど!
「そんなに焦らないの!せっかちな男は嫌われますよ?」
「チェンジ!チェンジで!」
「悪かったから最後まで話させて!じゃないと!私が迷宮の間引きしないといけなくなっちゃう!」
やっぱり今からでもチェンジしてもらった方がいいのでは?
「はぁ...分かりましたから、続き聞かせてください。」
「はぁ〜い!それでね?ここに出る魔物羽虫ばっかりで絶対頭に飛んでくるの!剣だと当たり辛いし折れちゃうこともあるんだけど、その太い棍棒ならタイミング良く振り下ろすだけでいけちゃうってことよ!Gランクだからあんまり魔石は落ちないし遺物はもっての他かもだけどいっぱい虫殴って数をこなせば問題ないと思うから!」
「それで、魔石はいくらで買い取ってくれるんですか?...」
「Gランク迷宮の魔石は小さいから銅貨一枚で買取るよ!5個ぐらい魔石が落ちれば1日は困らないでしょ?」
心配そうな顔でこちらを覗き込んでくるニーナさん。はぁ...利点もあるし、迷宮に潜らないと日銭も稼げない。相性も良さそうだから何も適当に勧めてる訳でもなさそうだし。
「はぁ、迷宮の位置教えて貰っても?」
「ありがとう〜!!潜ってくれるのね?ノルマが減って助かる!それじぁ...」
やっぱり図太いや...その後迷宮の位置を聞いて門から出てすぐの所だったのでとっとと向かうことにする。はぁ...怠けて生きるのにはまだまだかかりそう...
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます