姫さまは、語りたい④
「ふうう。やっぱり、
額の汗を拭いながら、輝く笑顔の姫さまです。
ワタクシは、立っているのが、やっとでございます。
「あら、あなた、その姿で踊ったの?」
飲み物を口にされ、ひと息ついた姫さまが、今更のようにワタクシを見ております。
えっと、姫さま。その姿とは? ワタクシ、もともとこの姿ですが。
「ヒト型をとればよかったのに。あなた、
今、何とおっしゃいました?
ワタクシが
お恥ずかしながら、ワタクシの
舞い踊っていた先ほどまでとは違った汗が、ワタクシの背中を流れていきます。
わたくし、知っているのですよ。
姫さまの鋭い視線が痛いです。声に出しておっしゃらなくても。
「あなた、今日がどういう日か、知っているのよね」
「
「そうよ」
そう。今日が、地で言うところの「中秋の名月」であるからこそ、姫さまが地へとお出掛けできたのですよね。
「そして、我が
ぽそり、と口に出し、頬を赤らめた姫さま。しかし、次の瞬間には、厳しいご指摘がワタクシに向かって飛んできました。
「今日は、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます