姫さまは、出かけたい④

 ♪こいわずらいさ

  こいつらい


  恋するあまりの悩みなの

  気分がふさいで恋のやまい。


  頭に浮かぶ あなたがいっぱい

  大好き 大好き 大好きさ


  仕事や勉強、手に付かない

  食欲無視してダイエット

  一晩中でも想ってる!


  あぁ、

  こいわずらいさ

  こいつらい ♪♪♪




 姫さまが言うところの「イケメン」の男子おのこらが、

 ぴかぴか 光る 舞台の上で

 きらきら 光る ころもをはおり

 するする 動き 飛び跳ねて

 くるくる 回り くねくねと

 なにやら 歌い 舞っております。


 舞台の上から男子おのこらが視線を向けるたび女子おなご達の黄色い声が上がります。

 舞台の中央には、紫色の衣を羽織った男子おのこがおります。姫さまの持った光る棒が放つ色も、男子おのこの衣と同じ紫でありました。

 男子おのこは、五人おるようです。紫が中央に、その横に、あか、黄、黒、緑の色をしたころもを着た男子おのこがおります。黄色の衣は、白色にも見えますね。

 その白色に見える黄色の衣を着た男子おのこが一番身軽に飛び跳ねております。

 黒色と緑色は、低音域を歌っているようです。

 常に紫色は、中央に位置するのですね。

 時折、紫色と紅色が目くばせをしておりました。


 姫さまの頬も紅潮しておられます。


 周囲の女子おなご達は、舞台上の男子おのこにしか興味がないようです。

 「釘付け」とは、まさに言い得て妙でございますな。


 それにしても、女子おなご達の熱気で、ワタクシの小さな体は押しつぶされてしまいそうです。

 もう、息をするのも苦しくなる……なり、ま する……










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る