姫さまは、出かけたい➂
うおおおおおおーーー
きゃあああああーーー
人の声とは、このように
低い声は、まるで地を這うように響いてきます。
高い声は、耳をつんざくかのようです。痛いです。
一体どこから出ているのでしょう。不思議でなりません。
うさぎは、ニンゲンよりも耳がよいのですよ。この空間は耐えられません。
しかし、姫さまの気配は、確かにこの空間にあるのです。
あ、
姫さま!
いつもとは違うお召し物でいらしても、その気配は変わりません。長年、姫さまに仕えてきたワタクシは、姫さまの気配を間違えません。
例え、先ほどとは違う装いでいらしても。
まぁ……
あんなに はしゃいでおられる姫さまの姿、はじめて見ました。
姫さま、何を叫んでいらっしゃるのでしょうか。
姫さま、誰に向かって微笑んでいらっしゃるのでしょうか。
姫さま、その手に持った丸くて平たい物は何でしょうか。
姫さま、光がまぶしゅうございます。
ちかちかと、色の付いた光の棒が、あちらも、こちらにも。姫さまの手元にも。
かような箱のような空間に閉じ込められて、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます