第2話 超人
「また超人「
結婚もせず仕事人間だった社長の自宅。
そこで「夜8時ごろ男と女が口論するかのような物音がする」と通報が入り、警察が駆け付けると現場は血だらけで、社長の死体が転がっていた。
警官はその死体の損壊度合いを見てすぐに超人「
超人……2020年代の日本に突如として現れた者たち。一般人と見た目は全く変わらないのに「自動車を片手で持ち上げる怪力」「小銃の弾が当たっても弾いてしまい無傷でいられる身体」という人知を超える程の身体能力を持ち、何者も支配する事が出来ない存在。
力=警察や自衛隊でも、ルール=法や憲法でも彼らを縛ることは出来なかった。
日本政府でさえそうで、台風や地震に巻き込まれたようなものだから、と被害者を慰めるのがせいぜいだ。
特に「
献血ポスターに載った女キャラの胸が「性的搾取だ」と言われたら、次の日の朝にはそのキャラが登場するマンガを描いている作者を殺し、
女子大生が性的暴行された裁判で逆転無罪の判決を出した高等裁判長や事件の加害者を皆殺しにし、
とある温泉街が「セカンドレイプの街」と非難された日の翌日に町長を殺害し、
そして今回の「ストッキングをわざと破れるようにして何枚も買わせて儲けている」と言う話を聞いて、
彼女の犯行だと思われる現場を何度も見た警官は腕をワナワナと震わせ、拳を固く固く握りしめ、唇を血が出そうな程強く噛んでいる。
「先輩、悔しくないんですか? 罪なき人々が無残に殺されているのに、我々は指をくわえて見ているだけなんですか!?」
「俺の同僚も十人以上、殉職した。今の日本にはあいつらを止める術はないんだ」
「!! す、すいません」
殉職した同僚がいるのを知らずに声を荒げてしまったことを謝罪する。先輩の方がずっとつらいはずなのに……。
「『白き夜明け』作戦が開始されれば少しは状況は変わると聞いてますけど……」
「『白き夜明け』作戦か……どこまで通じるものやら」
警官や自衛官の間で広がっている噂……政府は超人対策として『白き夜明け』作戦なる物を進めているらしい。というものだ。
しかし拳銃はもちろん、小銃でさえ通じない相手をどうやって倒すつもりなのだろうか? 詳細は伏せられたままだから良く分からない。
分かっているのは政府と警察と自衛隊が協力している事ぐらい。本当にあの超人を止められるのだろうか?
「ありがとうございます。ありがとうございます
「日本に巣食う
「
SNSには殺人鬼である
昔は「クソオス」なんて書き込みをしたら、その「クソオス」達がキーキーとサルのようにわめいていたが、
絶頂を極めたと言ってもいい彼女の帝国は『白き夜明け』で崩壊するのをまだ誰も知らない。
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