雪の短編

@sakanatus1

第1話

雪が降る。

「もう雪だ」

私はつぶやく。一人歩いている。

冬景色を見ている。

「雪なのね」

誰かがつぶやいた。振り向いても誰もいない。

歩くことにした。


ズボ、ズボ、ズボ

雪を踏む足音が響く。

「遊びに来たの」

また声がした。

見上げると、丘のある公園。

丘に誰かがいた。妖精だった。

「誰?」

「誰でしょう?」

妖精のつぶやきには、何も期待できない。

「ねぇ、ねぇ、遊ぼう!」

いきなり妖精は話を切り出す。


誘われるがままに私は妖精と遊んだ。

雪合戦や鬼ごっこをした。実際は妖精の言う事を聞くままに振り回されていた。

遊んでいるうちに、辺りが暗くなった。


「もう帰る時間だ」

「えー! もっと遊びたい」

「寒くなってきている」

私は凍えそうになっていた。

「そうなの?」

「うん」

答えると妖精はいきなり姿を変える。

キラッ!

見ると、人間の女性になった。

「残念!もう少し遊びたかったのに」

そう言うと人間になった妖精は、姿を消していった。


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