第2話

 「ちょうどいいところに川があってよかった。えっと、【タックルデプロイメント】」


 誰もいない川のほとり。スキル使用魔法を唱えると釣具一式が召喚される。多少のカスタマイズができたから、移動中に自分好みにカスタムした。竿を握る。うん、使い慣れてるものじゃないから少し違和感があるが大丈夫だろう。


 ルアーを付け川に投げ入れる。誘いをしながらかかるのを待つ。


 そう言えば、異世界に魚なんてものいるのだろうか?


 考えているうちに何かがルアーをつついている。一気に意識を集中させる。


 喰った


 確実に喰った。それにアワセを入れて針をかける。確実に来た。ドラグを巻いてリールを一気に巻く。そこそこな大物だな。魚かなにかの生き物と攻防を繰り広げて巻き上げる。あ、タモないじゃん。網がないから仕方なく竿で持ち上げる。

 針の先には、前居た世界とよく似た魚がついていた。よし、この世界でも、自分の技術はやっていける。少し感動しながら、魚を針から外し、リリースする。後で、アネットさんにこの世界の魚は食べられるか聞いてこよう。ただ、もう少し釣りをしてから行くことにした。





 「この世界での釣りも楽しいな〜」


 何匹も釣れてすっかり上機嫌になった。こんなに釣れる釣りは楽しい。


 「そういや、能力開放できるのかな」


 そう思ってスキルページを開く。スキルポイントがいつの間にかたくさん貯まっている。


 「スキルポイントの振り分けができるのか」


 何の能力が開放できるのか見ていく。思った以上に能力の種類が多い。こんなに全部開放できるのだろうか。重要そうなやつから開放していこう。


 というわけで、【サーチ】【フィッシング】【アイデンティファイ】の三つを開放した。それぞれ、魚のいる場所を探す、自動でリールを巻く、魚の細かな判別、の能力である。試してみたい気持ちもあるが、一旦アネットさんのところに戻って、この世界の魚について聞いてこよう。


 僕は、川を背中に歩いていく。










ここまで読んでくれてありがとうございます

頑張ってほしい、続きを読みたい、面白いと思ってくれたら

☆、フォローよろしくお願いします

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る