真実
決戦の日。私は雅弘を実家に預け雅也と義実家に向かった。
義実家に着くと武次さんも来ていた。
「DNA鑑定の結果ですが、親子関係は認められませんでした」
「ほら、見た事か!綾さん出て行ってもらいますからね!」義母が勝ち誇ったように叫んだ。
「いいえ、私たち親子3人の血の繫がりは確認できました。血の繫がりが確認できなかったのはお義父様と、雅也さんです」私は2通の書類をテーブルに並べた。
「お義母様約束ですよ。私達3人は血縁が認められたんですから土下座して謝ってください!」私は声を荒げた。
「この!嫁のくせに!!」義母がつかみかかろうとする。私は『殴られる』と思ったとき、パン!パン!と平手打ちの音がして、義母がしゃがみこんだ。顔を上げると義父が鬼の形相で立ち、義母を見下ろしていた。義父は私の方に向き直ると
「綾さんその書類よく見せてくれ」と言われ、私は鑑定結果を渡した。
「昌子これはどうゆうことだ。不貞を働いていたのはお前の方か」
「それは、何かの間違いで・・・」
「間違いだと!この場に及んでまだ言い訳するか!!お前は不倫したうえに何十年も俺たちを騙していたのだな。それなのに綾さんにあんなにつらく当たって。恥を知れ!」
「お父さん、俺はお父さんの子だよね?」
「武次、まあ雅也がいたんだからそれは間違いないと思うがな。お前もDNA鑑定するか?」
「うん、その方が安心できる。雅也兄さん。兄さんとは片親しか繋がっていないけど俺にとってはたった一人の兄さんだから、今まで通りに付き合ってくれよ」
「そうだ。俺とは血のつながりは無くても息子として暮らしてきたんだ。今まで通り俺の息子でいてくれ」
「解った。今まで通り付き合うよ」
「綾さん、つらい思いさせて済まなかったね。でもどうして昌子が不貞していたと思ったんだい?」
「不思議だったんです。お義母様が繰り返し私が不貞していると言ってくるのが。思い出したのが初めて武次さんにあったときに雅也さんと似てないと思った事だったんです。雅也さんに聞くと初対面の人には似てないと言われるという事でした。そして人というのは自分がやっていることを他人もやると思うということを耳にして、もしかしたら自分が不貞をしているから私に繰り返し言うのではないかと思ったわけです。それで私たち家族3人のDNA鑑定とお義父様と雅也さんのDNA鑑定も行ったわけです。結果は御覧の通りです」
「そうだったか。真実を明らかにしてくれてありがとう。昌子とは離婚する。だから今まで通り付き合って欲しい。血は繋がっていなくても雅弘がかわいい孫だということに変わりは無いから」
「はい。これからもよろしくお願い致します」
「父さん、今日の所は帰るよ。雅弘を迎えに行かないといけないし」
「そうか。雅弘と一緒にまた来てくれよ」
「解った、じゃ」
私と主人は雅弘を迎えに行くために義実家を後にした。
それから私は義実家に行っても文句を言われることが無くなり、家族3人幸せに暮らせるようになった。
これからも嫁として、お義父には尽くしていこうと思う。桜さんと一緒に。
暴かれた真実 完
暴かれた真実 星之瞳 @tan1kuchan
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