対決

約束の日、私たちは三人で義実家を訪れた。

「よく来てくれたわね。武次たちも来てるのよ、さ、上がって」

義母に促されるまま、私たちは座敷へと入って行った。座敷には武次たけつぐさんともう一人婚約者だろうか女性が座っていた。

「それではみんな揃ったし、紹介するね。僕の婚約者の水本桜みずもとさくらさん」

「初めまして、宜しくお願いいたします」桜と呼ばれた女性は一礼をした。

「それでは家族を紹介するね、父のたけしと母の昌子まさこ

「よろしく」「よろしく」二人も一礼する。

「そして、兄の雅也まさやと奥さんのあやさん、息子の雅弘まさひろ君」

「よろしく」「よろしくお願いします」私達もあいさつした。


それから会食となり、和やかな会話が続いていたのだが、義母が

「桜さんは学校は、御職業は?」

「W大卒で、今は商社の事務をやっています」

「そう、武次もいい人を見つけたものね、学歴は問題ないし、美人だし。それに比べて綾さんは高卒だし、雅弘は不貞の子だしね」

「え!」

「母さん、桜さんの前で言う事じゃないだろう!」

「だって、綾さんが高卒なのは間違いないし、全然否定しないんだもの、これって肯定しているってことよね」

それを聞いた私は主人に目配せをした。主人が頷いたので

「お義母様かあさま黙っているのが肯定だと言うのなら、言わせてもらいます。私たち家族3人DNA鑑定致します。それで血縁が証明されたら、土下座して私達に謝ってもらいます。よろしいですか?」

「ええいいわよ。武次にこんないい人が嫁に来るんだものあなたは用済み。結果次第では出て行ってもらいますからね!」

「解りました。桜さんすみません。いやな思いされたと思いますが。今日はこれで失礼いたします。ごめんなさいね」そう言うと私達3人は立ち上がり座敷を後にした。背後から「やっと本性出したわね。いけ好かない嫁だ事」と義母の声が聞こえたが無視した。


私達はDNA鑑定を行い、1ヶ月後には結果が出た。

私は義母に連絡し、武次さんも呼んで結果発表を行うことにした。



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