003 さめちゃんってさ、話すの上手ぇなぁー って思うワケ!
「いい加減さ、アタシらも長い事この森にいるわけじゃん? 森の外ってさ、どうなってんのかな?」
「確かに、それは我も長い事、気になっていた疑問! もし、みんなが行くと言うなら、我も、同行を希望する」
「それはぁ~確かに私も~気になりますけど~! ひなちゃんも~チロルちゃんもいますし~」
「あー、まぁそうだよなー! 気にはなるけど、ひなな連れて森の外に行くとか、ちょっと怖いよなー!」
「実は我、少しだけ聞いたことがある」
「えっ! マジ!? さめちゃん教えて教えてっ!!」
「私も参考までに~聞きたいですねぇ~!」
「長老のオバァが言っていた、オバァが若い時、それこそブイブイ言わせてた頃、興味本位で外に出たらしい」
「えっ! あのオバァが若い時って、一体いつの話だよ!?」
「え~っとですねぇ、おそらくですけどぉ~、軽く2000年位前ならぁ~オバァもまだ若い時ってぇ~言えるんじゃないですかねぇ~」
「2000年かぁー! だとアタシらより、もう少し大人になってから行ったんかなー?」
「実はオバァに、若い時っていつ? って聞いてみた。 そしたら、覚えとらん、って言ってた、頑なに若い時ってしか」
「都合よくボケますねぇ~、というか~、オバァって今いくつなんですかねぇ~?」
「もはや謎の生命体だもんなっ! んで、森の外に出て? それからそれから?」
「首が長い生き物、2足歩行するブタ、ズル賢くて言葉を話すサル、がいるらしい」
「喋るサルっ!? えっ、何それめちゃくちゃホラーじゃん!」
「そんなところに~ひなちゃんを連れては~行けないですねぇ~」
「あ、でもさでもさ、その喋るサル捕まえたら高く売れるんじゃない!? どうよこれ!」
「しぐれ先輩、実はオバァも同じこと考えたって、言ってた」
「あら~っ、しぐれ先輩は~オバァと思考が一緒なんですねぇ~」
「まなちゃん!? 流石にアタシはそこまで歳食ってないんだけど!?」
「大丈夫! しぐれ先輩も、我も、まなちゃんも、まだピチピチの300代」
「おー! 確かにこの間一緒にお風呂入った時さ、さめちゃんの肌めっちゃキレイでカッコよかったもんね!」
「…しぐれ先輩~? きりさめちゃんとぉ~、一緒にお風呂入ったんですかぁ~?」
「そうそう! この前アタシんちに泊まり来た時にさー、ゲームして一緒にお風呂入って一緒に寝たー!」
「我、至福の時間、しぐれ先輩と過ごした!」
「そうなんですかぁ~…… へぇ~…… ほぉ~…… ふぅ~ん……」
「まなちゃんっ!?」
「今度ぉ~、私とも一緒にぃ~お風呂入ってくださいねぇ~? しぐれ先輩と~きりさめちゃんと~3人で~」
「わっ、我、了承したのです! ひっ、ひなっちとも、いっ、一緒に入れたらいいなぁー、なんて思うのですよーっ!」
「しぐれ先輩も~いいですよねぇ~?」
「あっ、ひゃいっ! いっ、一緒お風呂入ろーなー、まなちゃん、ひななも一緒になー!」
「絶対約束ですからねぇ~? それで~? オバァはどうしたのぉ~」
「あ、うん、オバァは、その喋るサル捕まえようとして、自分が捕まったって言ってたのです」
「「……は!?」」
「奴らサルのくせに、ズル賢くて、罠にハメられて、奴隷商に売られたって」
「あの、バ…… オバァを? 買う奴いんのっ!?」
「昔の若い時の話ですよぉ~しぐれ先輩~、きっとピチピチだったんですね~」
「いやちょっと待って! あんまり想像したくないんだけど!?」
「それで、サルの貴族に買われて、奴隷でメイドの精霊術師になって、主の子供産まされそうになって、逃げて帰って来た、って言ってたのです」
「「……はっ!?」」
「ちょっと~情報量が~多いですねぇ~」
「喋るサルってやばいねっ!! てかホラーじゃん! アタシ森の中でいい気がしてきた!!」
「確かオバァは、ニンゲン怖い、って言ってたですよ」
「何それっ!! ニンゲン!? うわーっ響きだけでめっちゃ怖い! ムリっ! 絶対ムリーっ!!」
「じゃぁ~お風呂も一人で無理ですねぇ~? 私の家のお風呂ぉ~広いですから~みんなで入れますよぉ~! 今日お泊りきますかぁ~?」
「えっ、いいの!? まなちゃん優しーっ!」
☆★☆★☆
「あ ぐれちゃんと めーちゃんだーっ! いらさーぃ!」
「ひなっちーっ! 今日もいっぱいカワイイのですーっ!」
「めーちゃんもっ! はいっ なでなでっ! はいっ ひなにも なでなでしてー」
「だぁーっ! ひななはホントカワイイなーっ! ほらっ、ナデナデナデナデーっ、どうだー!」
「おねーちゃーん! めーちゃんと ぐれちゃんから なでなで いっぱい もらたーっ!」
「よかったわね~ひなちゃ~ん、今日は~みんなと一緒に~お風呂に入ろうね~」
「あいっ! ひな おふろはいるっ! カエルもいっしょ おふろいい?」
「ひなな、カエルはやめとこうな?」
「あら~、ゆでガエルさんに~なっちゃいますね~?」
「ひなっち、カエルは今日、お風呂に入っちゃダメな日なのですよ。 破ったら、夜こわーい魔女が、ひなっちを攫いに来ちゃうのです!」
「むりっ! ひな こわいのやーっ! カエルっ! オマエ! かえっていいぞっ! まじょにくんな! いっとけ!」
「ゲコ」
「カエル かえしたっ! ひな おふろはいって いい?」
「「「イイっ!!」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます