２６日のクリスマス

２６日のクリスマス

他がどう。だとか。

あれがどう。だとか。

知るか！

別に誰かに言っているわけじゃない。

『そんなやり方なら独りでやって！』

『ほんと自己中！』

『全部お前のせいだ！』

生まれて、生きて、今日の俺がある。

”正義”は俺の中にある。

否定されようと、拒絶されようと、どっちでもいい！

世界に数人。

俺みたいな人間がいる……らしい。

口が裂けても言いたくないが、こんな自分が好きでも嫌いでもない。

考えるだけで、虫唾がはしる。

自由に。勝手に。

ハァ！？　

知るか！！

責任。結果。

大いに結構。

全ては自分次第だ。

不愉快。不快。気に入らない。

それらは全部俺の中だけで成立する！

他人なんていない。

好きだから、好き。

その他は嫌い。

単純明快！　気分爽快だ！

時間。約束。関係。

知るか！！！

どうして”邪魔”する！？

静かにしていてくれれば勝手にやるし、むしろ、そのほうが良い！

他から影響を受けない。

だから、俺も影響しない。

あの言葉は、勝手に、自由に、あれらが言いたいことを言っただけ。

思いや、考えは、口先ですぐに落ちてなくなった。

口ではなんとでも言える。

ハァ！？

何も無いところからは、何も生まれない。

常識だ。

「あ、猫だ。にゃーにゃー」

なんで気づかない？

バカだなぁ……。

誰もが必死で。

ダメだなぁ……。

どれもが必死で。

感覚は自分だけのもの。他はない。

感情は自分だけのもの。他はない。

焦れば焦るし、困れば困る。

本気の出し方は知ってるし、抑えることもできる。

とても簡単だ。

目標や目的に、差異も他意もない。

ノータイムで実行だ！

繊細で面倒臭い。

ハァ！？

意味ない。

無駄だ。

さっきも言ったが、存在しない。

なんにしても”自分”だ。

自己中？

だから！

ハァ……。

もういい。

「別れましょう」

今日は空気が澄んで星がよく見える。きもちいい！

「ん？　あの建物邪魔だなぁ、無くならないかなぁ」

俺は、ビルの先を指で弾く。

「じゃ、さよなら」

「うん、また」

どこからか時報の鐘が鳴り、驚いた猫が走っていってしまう。

「ちっ」

あ、今日はクリスマスだ。

腕時計は去年からずっと２５日、２３時５９分。

大きさ、見た目。

好きだから壊れても付けてる。

というか、壊れてなんていない。