馬を飼う女

増田朋美

馬を飼う女

その日は冬でありながら比較的暖かい日で、みんなのんびりと暮らしているのであった。中には、心を病んでしまっている人がいて、いつも一人で当たり前のようにやってることが、できなくなってしまう人もいる。それは人間ばかりではない。いろんな動物も、同じようなことを考えているように思える。

その日、製鉄所に電話がかかってきた。なんでも、一年前に製鉄所を利用していた大橋優香さんという女性から電話だった。製鉄所と言っても鉄を作るところではなく、居場所のない人に、勉強や仕事をする場所を提供する福祉施設である。大橋優香さんは、一年前に学校にいけなくなって、製鉄所を利用していたのであるが、いつも子どもの頃読んで感動したという、スーホの白い馬という本を大事に大事に持っていた。そういうわけだから、学校に縛られるよりも、大好きな動物たちと一緒に暮らしたほうが幸せになれるのではないか、と、ジョチさんはアドバイスしたことを記憶している。その大橋さんの電話内容によると、今まで馬を飼いたいという気持ちをずっと持っていたが、ついに馬を2匹引き取って、小さな牧場をオープンさせたので、来てもらえないかという内容だった。ちょっと、発達障害のあるような彼女なので、祝ってくれる人もなく、一人で寂しく牧場をやっているのだろうなと思ったジョチさんは、杉ちゃんと一緒に指示をされた通りの、富士宮市にあるという大橋牧場へ、小薗さんの車で行ってみた。

確かに、ジョチさんが予想した通り、本当に小さな牧場だった。牧場と言ってもまるで猫の額だ。これでは馬を二匹飼育するだけでも、精一杯だろうと思われた。

「こんにちは。」

と、杉ちゃんとジョチさんが牧場の入口に行くと、

「ああようこそ来てくださいました。ここは私の城です。大橋牧場。」

そう言って、ポニテールに髪を結んだ、大橋優香さんが現れた。

「そうですか。なんだか、ここで何をするのかよくわからないですね。」

ジョチさんは正直な感想を言うと、

「はい。でも、あたしは、一般的な馬の飼育とはちょっと違うんです。」

と、大橋さんは言うのだった。

「はあ、馬で何をするんですか?」

ジョチさんが言うと、

「はい。馬は走るだけではありません。馬は人間を乗せることだってできるんです。それなら自動車でもできるって言うかもしれませんが、馬は意思があり、心を通わすことができるんです。それが、精神疾患とか、そういう病気の治療に役立つことがあるんです。」

大橋さんはにこやかに答えた。

「だから私は、そういう障害のある人たちに、馬に乗ったり世話をすることで癒やしてもらったら良いかなと、思ってるんです。だから、そんな大規模な牧場ではなくても良い。それより、お馬さんを通して、意思の通じ合いをしてほしいんですね。」

「はあ、なるほどねえ。まあ確かに、日本でも西洋でも、馬は軍人が乗って戦場に言ったりしてます。ですが、心の病気の治療に役にたつのでしょうか?それは、よくわからないですね。」

と、ジョチさんは一般的なことを言った。

「戦場で戦うのが馬のすべてじゃありません。馬は人間を癒やしてくれる大事なパートナーでもあるんですよ。自動車がなかった頃は、馬に乗って、いろんなところに出かけてますしね。自動車だって、ガソリンくれたりするけど、馬は生き物ですから、意思を交換し合って、心を癒やすこともできます。」

大橋さんはにこやかに言った。

「はあ、そうですか。馬が人間を癒やすんですか。それでは、依頼に来るお客もいるのですか?」

ジョチさんがそうきくと、

「まあ、依頼はなかなかありません。」

大橋さんは正直に答えた。

「でも、ホームページで馬の魅力を紹介したりして、少しずつ広めていこうと思ってます。一応私、カウンセリングの資格も取ったから、簡単ではあるけど、そういうことをやって、生計を立てていこうかと。」

「なるほどね。まあ、しばらくは軌道に乗るまで、難しいと思うが、だけど、気落ちせずにやるんだね。結果を急がないことだな。それで、馬くんはどんな子なの?ちょっと馬くん馬子ちゃんにあわせろよ。」

と、杉ちゃんが言った。

「ええ。もちろんです、あたしの大事な家族にぜひあって上げてください。雄馬二匹しかいませんが、きっと彼らも歓迎してくれると思います。こちらです。」

大橋さんは、そう言って、二人を馬小屋へ連れて行った。雄馬二匹というのは、ちょっと寂しいと思われるが、それでも、二匹の馬が優しそうな顔をして、二人を見つめていた。

一匹は、全身白い毛で、もう一匹は全身真っ黒な馬だった。杉ちゃんたちが馬小屋へ入ると、白い馬が、杉ちゃんたちの方へ顔を向けた。

「随分人懐っこい馬だね。それで名前はなんていうの?まさか、白馬ではないでしょう?」

大橋さんに渡された人参を受け取りながら、杉ちゃんが聞いた。

「ええ、白い方はマレンゴ、黒い方は、ブーケファラスです。」

と、大橋さんは答える。

「はあ、マレンゴはナポレオン一世が乗っていた馬だ。」

杉ちゃんが言うと、

「それに、ブーケファラスは、アレクサンダー大王が乗っていた馬です。馬が好きであるのと同時に、大橋さんは歴史が大好きでもありましたね。よく、歴史上の人物の本を読んでいましたよね。今の言葉を借りて言えば、歴女といえば良いのかな。」

ジョチさんがそう言った。大橋さんはちょっと顔を赤くする。

「まあ歴史は面白いですからね。一番好きな科目は歴史でした。数学も国語もできなかったのに、歴史だけは楽しかったから。」

「まあそれでいい。どうせ学校なんて百害あって一利なしだし。とにかくマレンゴちゃんに、人参上げてもいい?」

杉ちゃんはそう言って、マレンゴという白い馬の前に人参を持っていくと、マレンゴくんはそれを美味しそうに食べた。隣にいた、ブーケファラスという黒い馬には、ジョチさんが、人参をあげたが、ブーケファラスくんはそっぽを向いていた。

「あらあ、愛想が悪い馬だねえ。まあ、本物のブーケファラスも、すごい言うこと聞かない問題児だったそうだから、根気よくやるんだね。きっと、一生懸命世話すれば、心をひらいてくれるよ。」

杉ちゃんが言うと、ジョチさんが、その黒い馬を注意深く観察した。何だかマレンゴくんの方は標準的な体格だったが、ブーケファラスくんは少し痩せていて骨っぽい体をしている。それに、黒い体にところどころ白髪が見られた。

「この子は、もうお年寄りですか?人間の年で言ったら、80代くらいかな。もしかしたら、もう年を取ってしまったので、落ち込んでいるのかもしれませんね。マレンゴくんのほうが、有効的で明るい性格ですね。」

ジョチさんがそう言うと、

「そうなんです。それが問題なんですよ。マレンゴは、割と人に慣れてて、餌をすぐもらってくれたりするんですけど、ブーケファラスはちょっと気難しくて、自分が選んだ人で無いと、餌をもらってくれなかったりするから。それでは、ちょっとセラピー用の馬には向いてないかなと思っちゃう。」

大橋さんは残念そうに言った。

「まあ、馬にも個性がありますからね。犬や猫も、個性があって、人にすぐなれる子もいるし、抱っこ嫌いな子もいるじゃないですか。そういうわけですから、馬だって個性があるんだと思いますよ。それを踏まえて、馬をうまく利用できるといいですね。」

ジョチさんがそう言うと、

「あら理事長さん、馬は利用するもんじゃないわよ。馬は仲良くするものですよね。だから、あたしもこの二匹と、仲良く暮らして行くつもりよ。」

と、大橋さんは言うのであった。

「そうかそうか。それでは完全に馬を飼う女になっちまったな。ほんと、人間の運命もわからんもんだねえ。」

杉ちゃんがでかい声でそう言うと、

「そうですね。なんだかある意味、逆縁という気がいたします。」

とジョチさんも言った。それと同時にジョチさんのスマートフォンがなる。

「はいはいもしもし。ああブッチャーさん。ああそうですかわかりました。畳代も馬鹿になりませんね。ここに馬くんが二匹いるから、バカと言う言葉は使ってはいけないですね。わかりました。すぐ帰りますよ。」

そう言ってジョチさんは電話アプリを閉じた。

「ああ、水穂さんがまたやったの?」

杉ちゃんが聞くと、

「はい。そうみたいですよ。まあ、僕らも気が気じゃないですよね。すぐ帰って、畳屋さんに連絡を入れないと。」

とジョチさんは言った。

「水穂さん、そんなに悪いんですか?」

大橋さんが聞く。

「あたしも、水穂産には本当にお世話になりましたから、心配です。」

「ええまあねえ。そういうことですよね。最近寒いからというのもあるんでしょうが、ご飯だってろくに食べ無いし、なんか鬱になってるみたいですよ。それではいけないって何度も言ってるんですけど。まあ、無理な話かな。」

ジョチさんはそう答えたのであった。

「そうですか。なんだか可哀想ですね。同和地区でしたっけ。そこの出身者であったために、ろくに医療も受診させてもらえないのでしょう?」

「まあそういうことだね。今こそ抗生物質があるから、それでなんとかなるって言われるけどさ。そこへたどり着けないのが、現状なんだな。もうしょうがないっていうか、うーん僕らも手の出しようがないよ。」

と、杉ちゃんが言った。

「杉ちゃん喋ってないで、帰りますよ。すぐに畳屋さんへ連絡しなければならないでしょう?」

ジョチさんがそう言うと、ああそうかと杉ちゃんは言って、車椅子を方向転換させた。

「あの。」

と、いきなり、大橋優香さんが言う。

「水穂さん来てくれるんだったら、うちの馬と遊ばせてみたらいかがですか?ほら、ここだったら空気はいいし、排気ガスも何も無いし、それでやる気を取り戻してくれるかもしれませんよ。」

「そうですか。ですが、あいにく、動けない状態なので、無理だと思います。でも、お誘いがあったことは水穂さんには伝えておきます。」

ジョチさんはしたり顔でそう答えた。

「では御免遊ばせ。」

二人は、そう言って、小薗さんの車に乗り込んだ。大橋さんは、二人が乗り込んだ車が見えなくなるまで見送っていた。

それから数日後。製鉄所ではいつもと変わらない日々が続いていた。ただ、水穂さんは、相変わらずご飯をいくら食べさせても、咳き込んで吐いてしまうのが続いているのだった。ご飯の世話をしていた利用者たちも、これではもうお手上げだと言った。お皿を取りに来た杉ちゃんまでが、

「もういい加減にしろ!何時までもたくあん一切れでは、体も回復しないよ!」

と言ってしまうほど、水穂さんは、ご飯を食べないで咳き込んだままだった。

「柳沢先生の話では、精神的なものだと言ってたけど、本当にそうなのかなと疑いたくなりますね。」

と、ジョチさんは言ってしまう。

「一体どうすればご飯食べてくれるようになるもんだろうね。」

杉ちゃんとジョチさんは顔を見合わせた。

「あ。そうだ!」

いきなり杉ちゃんが言った。

「それでは、水穂さんを大橋牧場に連れて行ったらどうだ?」

「大橋牧場?でも水穂さんは馬に乗れる体力もありませんよ。」

ジョチさんはそう言っても、

「それでもいいじゃないか。馬を触らせたり、餌をくれたりとか、そういうことされるだけでもいいんだ。それが刺激になって、水穂さんもご飯を食べようと言う気になれるかもしれないぞ。」

杉ちゃんという人は、一度決めると他の人の言うことは聞かなかった。すぐにこういうふうにしたほうが良いと考えを巡らすのが杉ちゃんである。

「よし、それなら大橋牧場に電話して、第一号のクライエントにさせてもらおうぜ。精神疾患のクライエントが、馬の世話をしに来るって、彼女は言ってたんだから。」

ジョチさんは、杉ちゃんが一度決めたら意思を曲げないことは知っていたので、急いで大橋さんに電話をかけてみた。水穂さんを連れていきたいと言ったところ、喜んで大歓迎と言ってくれた。

翌日。小薗さんがレンタルしたワゴン車に、水穂さんはジョチさんに背負ってもらいながら車に乗り込み、杉ちゃんは後部座席に乗った。そして、小薗さんの運転で大橋牧場へ向かう。休日なので、富士宮市へ向かう観光客も多く、出かけるのにはかなり時間がかかったが、それでも、小薗さんの車は大橋牧場へ連れて行ってくれた。

水穂さんはジョチさんに肩を貸してもらいながら、なんとか車を降りた。杉ちゃんの方は、小薗さんに手伝ってもらって降りた。大橋優香さんは、玄関先で出迎えた。

「大橋牧場へようこそいらっしゃいました。お久しぶりです水穂さん。」

大橋優香さんはそう言うが、そのげっそりやせ細った水穂さんを見て、少しびっくりしてしまったようだ。

「な、よく分かるだろ。水穂さんもご飯を食べられないんだよ。ここにいる真っ黒な爺さん馬くんと同じだよ。」

杉ちゃんがぶっきらぼうにそう言うと、大橋優香さんは、プログラムにあるとおりに、

「じゃあ、始めに、馬と触れ合ってみましょうか。この人参で餌をあげてみたり、馬の体を撫でたり、ブラシを掛けたりしてみてください。」

と言って、水穂さんたちを馬小屋に入れさせた。馬たちは、新しく着物を着てやってきた人間を、ちょっと、不思議な人物だなと言う感じで、眺めていた。

「こちらの子は、マレンゴといいます。隣の黒い子は、ブーケファラス。どちらも、可愛くてよく人馴れしている子です。」

大橋さんが、二匹の馬を紹介すると、水穂さんは、黒い馬の方に目が行ったようだ。黒い馬が、隣の白い馬に比べると、ちょっと痩せていて、かなり年を取っているということに気がついたようである。黒い馬の方も、水穂さんには、なにかを感じ取ってくれたらしい。水穂さんが人参を一切れ差し出すと、ブーケファラスくんは、水穂さんから人参を受け取って美味しそうに食べた。

「あら珍しい!ブーケファラスは、今まで人参を食べることもあまりしなかったのに。」

大橋さんが驚いて言った。

「そうなんですか?餌をなかなか食べなかったんですか?」

と、ジョチさんが言うと、

「ええ。そうなんですよ。珍しいわねえ。あたしは歳のせいかなと思ってたんだけど、彼もまた落ち込んだり、鬱になったりしてたのかな。水穂さんのことを見て、仲間がいると思ってくれたのかしら?」

と、大橋さんは思わず言うのだった。ということはやはり、ブーケファラスくんは餌を食べなかったのだろう。

「この子、もうすごい年のお馬さんですよね。それでも長生きできてくれて、偉いじゃありませんか。でも、馬も人も、みんな年をとっても花を咲かせようとしている人は、いっぱいいますよ。」

水穂さんがそう言って、ブーケファラスくんに人参を差し出すと、彼はとても美味しそうにそれを食べてくれた。

「そうですね。水穂さんだって同じことではありませんか。あたしは少なくとも、水穂さんにはいてほしいと思ってますし。他にも、水穂さんが必要な人は、いっぱいいるんじゃないですか。」

大橋さんは、そう水穂さんに言った。水穂さんは、そうですかとしか言わなかったけれど、ブーケファラスくんは、とても美味しそうに人参を食べている。

マレンゴくんには、杉ちゃんが人参をあげた。

「ねえ、もしよかったら、水穂さん、ブーケファラスに乗ってみませんか?」

大橋さんは水穂さんに聞いた。

「ああそうだ。それが良い。どうせお前さんの体重は8貫もないんだし。それなら爺さんでもすぐに乗せられるだろう。大丈夫だよ。馬乗り袴はそのためにあるんだし。」

杉ちゃんがすぐにその話に乗ってしまって、水穂さんのはいている袴を見てそう言ってしまった。大橋さんはすぐに、ブーケファラスくんに鞍をつける。と、やすやすと鞍を受け入れてくれ、ブーケファラスくんは、水穂さんを大橋さんの介添え付きで乗せてしまった。

「ちょっと歩いてみましょうか。」

大橋さんが、ブーケファラスくんの手綱を引っ張った。ブーケファラスくんは、牧場を前進した。別に足を引きずっているわけでも無いし、つらそうな表情でもない。

「馬の乗り心地はどうですか?」

ジョチさんが一緒に歩きながら水穂さんに聞いた。

「素敵ですよ。」

水穂さんはそう答える。

「黒い馬に乗ったのは初めてです。」

杉ちゃんがスマートフォンで一枚、水穂さんたちの写真を撮った。何枚とってもえびす顔である。流石にブーケファラスくんはもうおじいさんであることは間違いなく、いくら歩かせてもスピードは出なかったがそれがかえって良いのだった。そのほうが馬に乗る恐怖も減るのである。

杉ちゃんたちは、牧場を一周して戻ってきた。水穂さんは鞍からおろしてもらうと、ありがとうございましたと大橋さんに言った。

「いいえとんでもございません。それより、ブーケファラスがこんなに食べてくれたの本当に珍しいことよ。あたし、びっくりしたと同時に感動しました。水穂さんも、負けないくらい元気になってください。」

大橋さんは、にこやかに笑った。水穂さんは、小さな声で

「ええ。」

とだけしか言わなかったが、大橋さんはそれを肯定と受け取った。

「じゃあ、また来てくださいね。二匹とも、皆さんのことお待ちしていますから。なんかずっとやりたかったことが成功できて嬉しいです。この子達もそれを喜んでいることでしょう。」

大橋さんはこれまで以上に嬉しそうに言った。ジョチさんから、お金を受け取って、大橋さんは杉ちゃんたちが帰っていくのを見送った。

その日から、今まで餌をなかなか食べなかった黒い馬のブーケファラスくんは、よく餌を食べるようになった。隣の、マレンゴくんにも引けを取らなかった。二匹は大橋さんが目指していた、心が病んでいる人たちに、馬に餌をくれたり、毛の手入れをさせたりする活動に、欠かせないパートナーになったのであった。大橋さんは、それから、馬を飼う女として、なにか病んでいる人たちの手助けになることを目指していったのであった。

外は寒かったが、馬の体は何時までも暖かかった。動物だから、暖かくて当たり前かもしれないが、でも暖かった。


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馬を飼う女 増田朋美 @masubuchi4996

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