出来ること

自主練

まだ体験入部の段階だが、体力がないと気づいた葵結あむ瑠那るなちゃんも同様に痛感していたみたい。


まずは走り込みが大事だなと感じて2人で近くの公園や神社で階段を駆け上がって下半身を鍛えようとしていて息を切らしていると見覚えのある犬がいる。そう、葵結あむの家にいる愛犬、サモエドの実紅みく


シッポをフリフリしてクルクル回ってニコッと笑う。後からママが追いかけてきて歩いて家に帰る。


ママが実紅みくにお姉ちゃんたちの邪魔をしたらダメだよと顔を見つめて注意をすると寂しそうな顔を見て瑠那るなちゃんを見つめておじきをする。


すると瑠那るなちゃんがある提案をする。

「それなら実紅みくちゃんも一緒に走ってトレーニングしようよ。さすがに階段は待っててもらわなきゃいけないけど道を走る分には問題ないと思うからどうかな?葵結あむちゃん」

どうやら決定権は葵結あむにあるようだ。


一緒にいる時も健気で人懐っこくてかわいいし、瑠那るなちゃんにも懐いている。吠えることも基本的にはないから大丈夫と指を立ててサムズアップをする。


翌日から葵結あむ瑠那るなちゃん、実紅みくの2人と1匹のトレーニングが始まった。


ホントに走ることが好きなのか、実紅みくは嬉しそうに走っている。さすがに本気で走れたら追いつけないし、ハーネスを付けていないからゆっくり走ってと顔を撫でてお願いする。


言葉が分からなくても通じるものはあると信じて言い続けて再度チャレンジする。今度はゆっくり走ってくれてこれならちゃんとトレーニングになる気がする。


薄暗い中、公園の中に誰かがバスケットボールの練習をしている。危ないので気をつけた方がいいですよと声をかけようとする。


すると向こうから声をかけてきてくれた。

成瀬なるせさん、赤津あかつさん、お疲れ様。一緒に連れているわんちゃんかわいい。犬種は?お名前はなんて言うのかな〜」

そう優しく声をかけてくれた。


八女やめ先輩、お疲れ様です。私の飼っている子で、サモエドの実紅みくって言います。大きいけど、人懐っこくて芸達者の子でいつも癒されてます」


そう言ってお手、おかわり、最近覚えたあごのせを八女やめ先輩に披露をする。かわいいと頭を撫でて同じように芸を披露する。嬉しさのあまりペロペロしちゃう実紅みく


葵結あむのもとに戻ってきて頭を撫でながら話をする。


「私のことはキョンちゃんって呼んでもらっていいよ。先輩、先輩っていうのあまり好きじゃないからさ。部活の時は先輩って呼んでね」

そう言ってボールもらって3歩以上歩いたらトラベリングになるよ、シュートを打つ時に心がけることなどを教わった。


その代わりにだけどとキョンちゃんは言う。

「この近くに住んでてよく公園で練習しているの。これからは3人で練習しようよ。その代わりに実紅みくちゃん連れて来て欲しい」

キョンちゃんが気に入ってくれたのは飼い主としてら嬉しく、よかったねと実紅みくに伝えるもの当の本人はなんの事?っていう不思議そうな顔をしていた。

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