憧れ

決まっている

小学校4年生になった葵結あむ。ランドセルのサブスクで毎年のようにランドセルを変えて瑠那るなちゃんとサモエドの実紅みくと共に写真を撮ろうと約束をしていたが、真意は分からないが瑠那るなちゃんからも催促をされることも特にない。


葵結あむの通っている学校はクラスが2クラスしかなく、瑠那るなちゃんとはずっと同じクラスでずっと来ている。クラス替えの楽しみは他の学校よりは希薄だった。


当然のことながら他の学校にある部活も葵結あむたちが通う学校ではない部活も多くある。数少ない制限をされた中から部活動を選ばなくてはならない。


葵結あむ瑠那るなちゃんは迷うことなくバスケットボール部に入ることを決め、まずはどんな練習をしているのか体験入部に向かう。どんな練習しているのかなと期待と不安。


ツインテールのかわいいキャプテンの八女杏花やめきょうかからまず、基礎体力を付けるためにランニングと筋トレをするように強いられた。バスケットボールを使って練習させてもらえると思っていた葵結あむ瑠那るなちゃんだった。


練習後は筋肉痛で歩いて帰るのも大変で、他の部活にしようかなとも考えたが他に何かやってみたいと思う部活も特にない。何よりも瑠那るなちゃんと見に行ったBリーグでのプレーが忘れられない。葵結あむもあんなプレーをしたいと自分を奮い立たせた。


そう考えながら家のトビラを開ける。すると実紅みくが帰ってくるのを待っていましたと言わんばかりに飛びついてきて思わず尻もちをついてしまった。


その姿を見てゴメンねと申し訳なさそうな表情をしていた実紅みく。何年経っても健気で人懐っこくてかわいいと頭を撫でた。


自分の部屋でサクサクッと宿題を終わらせて実紅みくに新しいワザを覚えさせよう。賢いから徐々にやっていけば出来ると確信していた。実紅みくに覚えてもらいたいのはあご乗せ。


タブレットやテレビでポメラニアンやチワワといった子犬ちゃんたちが飼い主の手をあごを乗せるあのシーンがたまらなくかわいい。まずはネットで検索してその方法をやってみよう。


エサを与えながらのあごのせはお手の物のようにクリアし、隠してやってみると葵結あむの手に乗せるとシッポをクルッとさせる実紅みく。かわいすぎてもう1回すると同じようにしていた。


ママにそのことを伝え、タブレットで動画を撮ってもらって癒されていた。パパが帰ってきて動画を見せてから実紅みくにまたやらせる。何回も同じことをさせてかわいそうだなと思いつつもかわいすぎて何回でも見てられる。


明日、学校に行ったら瑠那るなちゃんにも見てもらう。このかわいさを共有したいという思いになった。


まだ体験入部でランニングと筋トレがメインだが、実紅みくのこの姿を見て負けてられない。試合で魅了されるようなポイントシューターになると葵結あむは心に決めた。

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