楽しみ

心配事

小学校に上がると通学団というものが形成されており、区画ごとに5年生、6年生を挟んで低学年の子達を守るように登校をする。


葵結あむは社交的で人懐っこく、公園に行けば友達と遊んだり、サモエドの実紅みくをかわいがってくれる子も多くいる。そこで仲良くなった子もいた。


小学校に上がる1か月前、葵結あむの家に呼鈴が鳴った。知らない人だったため、インターホン越しに聞くと引越しの挨拶あいさつに来たようだ。


神栖市かみすしから引越してきた赤津あかつと申します。家が裏なので仲良くしてもらえると嬉しいです。ほら、挨拶あいさつして」


そう言ってお母さんの後ろで隠れている女の子がいて、恐る恐る前に出てきて恥ずかしそうに話しだす。


赤津瑠那あかつるな、4月から小学校に入学するから仲良くしてもらうと嬉しいな」

そう言って恥ずかしそうに手を出して握手をして、サモエドの実紅みくを撫でてかわいいと笑顔でいた。


最初、瑠那るなちゃんを見た時はショートカットで大人しい子なのかと思っていたら実紅みくをキッカケに仲良くなったような気がする。


入学式、葵結あむ瑠那るなちゃんは同じクラスになる。改めてよろしくねと挨拶あいさつをしてそれぞれ家に帰る。


水色のランドセルを背負ったまま、サモエドの実紅みくを連れて来てパパとママの3人で撮っていた。すると角から瑠那るなちゃんがやって来た。


葵結あむちゃん、一緒に写真撮ろうよ。ランドセル取ってくるからちょっと待ってて。よかったらサモエドの実紅みくちゃんとも写れたら嬉しいな」


瑠那るなちゃんはそう言って家に戻ってランドセルを背負い、サモエド実紅みくを挟んで写真を撮った。


この日からお互いの家に行き来するだけでなく、サモエドの実紅みくと一緒に公園で散歩をしたり遊んだりしてくれた。実紅みくも顔をスリスリして瑠那るなちゃんに懐いていた。


他のクラスメイトや同じ学校の子も公園や散歩をしているとみんなサモエドかわいいとみんな実紅みくに集まって顔を撫でたり、頭を撫でてくれる。


パパとママにクラスの友達が実紅みくをかわいがってくれて嬉しいと話している。嬉しくて犬小屋に行く葵結あむ


実紅みくのおかげで同じクラスの子だけでなく、知らない人とも喋ることが多くて人見知りすることなく、今まで以上に活発的になった葵結あむ


基本、瑠那るなちゃんと遊ぶ時もせっかくなら実紅みくちゃんも一緒に。3人でいる事が増え、自分たちの食べるおやつ以外にもドッグフードも買ってきてくれて喜んでくれるかなといつもドキドキしている。


好き嫌いのない実紅みくは1粒残さず食べていつものサモエドスマイルで瑠那るなちゃんにお辞儀をしていた。


瑠那るなちゃんの姿を見ると嬉しそうに飛び込む。シッポをフリフリしている。それだけでなく、ある日、朝の通学団にも実紅みくは付いていって学校まで見送る。


その後、実紅みくだけは家に帰ることは無理なので葵結あむが学校の前にいる地域の人に住所を伝え、散歩を兼ねて帰宅することになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る