何者なのか?

目に見えない

年号が平成から令和に変わり、テレビでは平成のうちにやり残したことはないだろうか。平成最後の元旦、平成最後の成人式、平成最後のバレンタイン等と盛り上がってた。


そして平成から令和に変わる日のこと、それはまるで新年を迎えたかのようなフィーバーぶりで幼稚園に通っていた葵結あむもトンデモないことが起きていることは感じていた。


そして2019年も佳境を迎え、2020年の東京オリンピックの聖火ランナー達が全国各地でリレーを行っていた。

だが、この時他国では色々な疫病が流行ってこれは対岸の火事だと思っていた葵結あむやパパ、ママ。


年が明けた2020年、新型コロナウイルスが猛威を振るい街からは人が消えてしまう。日本だけでなく、渡航禁止の上に飛行機が飛ばない姿はもはや令和の鎖国と言っても過言ではない。


未知のウィルス、特効薬もワクチンもなく日本中が何も分からず探り探りのような状態を強いられてしまう。とはいえ、生活するに働かなければならない。


飲食店は軒並み店を閉めてスーパーも人数制限をかける他、マスク必須に空いてる飲食店でも密集、密閉、密接の3蜜という言葉が出来た以外にも黙食、黙浴等と人との関わりがはばかれていた。


それは幼稚園の葵結あむにも影響する。

同じクラスの子が新型コロナウイルスになれば幼稚園を閉鎖。児童が罹患りかんだけでなく、親が《りかん》をしても同様。


連日テレビでは各都道府県ごとに新型コロナウイルスが何人出たのかと報道をされ、今まで出ていなかったところで初めて確認をされると何処の誰なのか?そして地元の地域ではない車のナンバープレートを見かけるとウィルスを持ち込んだとか変なウワサまで流れている。


パパとママはそれを見て世知辛せちからい世の中になったと嘆いており、家族全員でコロナウィルスにならないようにと改めて周知をしていた。


だが、このコロナウィルスはとても厄介だ。

それは罹患りかんをしても重症の人から全く軽症の人、そして全く症状のない無症状の人もいる。


無症状だからこそ知らず知らずのうちに感染をして誰かに感染させている可能性もある。基本的に病院は何かしらの症状がでているか周りの人が該当する症状がでたら、念のために行こうとなるくらい。


そして日を追う事にどんどん他人事では無くなってきた。パパが通う会社の人がコロナウィルスに罹患りかん。ついには1つ離れた町内でも感染した人が出たと近所の人が話す。


明日は我が身だなと感じつつも日常生活をどうすればリスクを減らせられるのか、その事ばかり考えていて生活をしていた。


消えたのは人だけでなく、感染症対策が高まってからなのかアルコール消毒やマスクが店頭からなくなる。強者つわものは自分の使ったマスクをオークションで販売したり、買い占めをして高額転売をするものすら現れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る