第4話
「できたーっ!」
「お嬢ちゃん、何を持っているんだか?」
「うん!鶴を折ってるの!」
グチャあとなった折り鶴はお世辞にも褒める事はできなかった。
「みやび、行くわよ」
隣では手を繋いでいる家族がいるのに、みやびは、手を繋いでもらえなかった。
夜、家に帰る。
「ほわああ」
「どう?」
「みやこちゃん可愛い!」
「えへへ、ありがとう。みやび。今度のドラマの役作りのために切ったんだ」
「なんの作品なの?」
「第二次世界大戦のお話でさあ。」
「本当!?」
「ま、それはいっか。じゃあ、みやび今度は私が主演ね」
じゃあ。と言い、いつものやろっかとベッドから足を落とす、みやこ。
瞬間、部屋の雰囲気が変わるのが分かった。冷たい空気。
「あ、おはようございます、今日も可愛い服お願いしますねっ」
「みやこちゃん、今日もプリティガールだね。
僕がどんな服選んでもみやこちゃんならはっきり可愛く着こなしちゃうよ」
「スタイリストの小山さん」
「そんな〜小山さんの選んでくださる服がどれも素敵だからですよ〜」
大人びて会話をするみやこちゃんを私はまじまじと見る。
いつ、使われてもいいようにだ。
「今日もありがとうございました!」
ふうぅとため息をつくみやこちゃんは可愛くて、私も大河ドラマに出たいと思った。
「これが今日の私、さ。みやびは?」
「私は……、今日の朝、病院に行った後は家でずっと、DVD観てたから」
ママもみやこちゃんの仕事場に行っちゃったしいとは言えなかった。
「そっかあ」
あ。と言うみやこちゃんは何を思ったのか知らないけど。
急に言い出すからびっくりした。
「あのね、入れ替わってみようよっ」
「えー!」
と言う、みやびはママの言いつけがめんどくさいと感じた。
「お風呂入ってから寝なさいよー!」
「はーい、ママ」
ホッとする私はみやこちゃんよりも早く寝ることに決めた。
ダブルサイズのベッドは少し広くて、寂しく感じた。
「あ、明日はよろしくね。みやこちゃん」
えーほんとうにやるのお!?
By長尾の作品
premiumed. @sacura
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