第6話 霊媒術と妖術

「…そうだったのか、」


神楽が優しい声で言葉をかける。


ここで読者の皆さんに言いたいことがある。俺はいかにも人を襲いそうなやつに遭ったことがないと言ったが、あれは嘘だ。実は俺のじいちゃんは悪闇に襲われて亡くなったのだ。俺の目の前で。血が飛び散ってきたあの瞬間を今でも思い出す。だから決心がなかなかつかなかった。


静まった空気の中神楽が話し出す。


「…僕達霊媒師は、ハクと呼ばれる生命力の源からエネルギーを使ってるから、霊媒術を使う=生命いのちを削るに等しい行為なんだ...。だから妖術を持ち...しかも無詠唱で使用できる君のうような人を探し、保護することで、育てて立派な霊媒師にして、世界平和の維持、自己防衛能力の向上に貢献しているんだ。」


「…なるほど、それはありがたい?」


「…とにかく、一度本部へ行こうか。これから君を育てるための施設へ行く。」


言われるがまま神楽について行くことにした。

そして本部へ着いたが、そこはものすごく大きなビルで、上に赤い大柱に緑の屋根の神社的なものが建っていた。


(どういう建築…)


そう不思議に思いながら、この重い一歩を踏み出す。

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